03.幼馴染み

「太郎ー、起きた? 鞄持って来てあげたよーん」

「ああ、フー子。サンキュー」


 保健室の扉を開けて鞄を持って来てくれたのは、幼馴染みの上志じょうし 風子ふうこだ。

 こいつが腐女子だという事を、俺だけは知っている。


「あ、武者小路くんありがとうね! 太郎は私が連れて帰るから!」

「いや、俺も一緒に行こう。太郎が倒れたら、あんたじゃ運べないだろうから」

「あ、えっと……そ、そう?」


 って、ヨシトシ!!

 何でそんな血の涙を流して悔しがってんの!?

 顔とセリフが全然噛み合ってねぇんですけどーーーーッ!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る