第4話 福理vs金属生命体②
おもむろに福理が口を開く。
「ではお互いに現状確認から致しましょうか。」
「
福理は胡座で座り、ギッゾォーテもそれにならうように座る。ギッゾォーテの体が擦れ、不快ではない涼やかな金属音が鳴る。
「座り方があなたと私でも共通する部分だとは思いませんでした。」
「コノ
福理が苦笑する。
「どうにもあなたと共感できる部分を探すのは難しそうですね。」
「
「まぁとりあえず本題に入りましょう。私は
現在、とある実験室で、おそらくですがあなたの同胞を倒すための駒を作りだす実験の被験者となっています。」
「フム。ソノ
「シカシ、
福理はギッゾォーテへの警戒レベルを当初の
福理は話を若干切り替える。
「まぁ、私の目的はさておき、この存在格納領域?に何故あなたはいるのですか?」
ギッゾォーテが語る。
「
福理は息を呑む。
「では...あなたたちは3次元物理世界上の肉体が滅んだとしても、存在情報さえあればいくらでも蘇れるということですか?」
「ソウイウコトダト
「「切り捨てられた。」とは?」
「
福理が安堵しつつも、心の中で若干
「
福理が
「「切り捨てた」とは?」
「
「
福理はギッゾォーテの警戒レベルを
それと同時に自身の目論見が軽く看破されかけたことに焦りを覚える。
実は福理は、以前にアステロイズを1度見たことがあるのだ。
しかも、その場にいた3体のアステロイズを
この偉業は記録にも、誰の記憶にも残っていない。
なぜならば福理がやったことは存在格納領域へ干渉し、そこに格納されていた存在3体を破壊したのだ。
その際に福理は気づいたこともあった。それは存在格納領域内の
福理は存在格納領域内でアステロイズが鳴らす音は不快指数に応じて音の不快さが上がっていくのではないかと推察している。
現に福理が3体を滅ぼした際には悲鳴や断末魔と黒板を爪で引っ掻いた音を数十倍にしたような音が響き渡ったのを覚えている。
福理はあわよくばギッゾォーテも同様に滅ぼそうと考えていた。心無い機械ならば、己の
しかし、ギッゾォーテは福理にまず話しかけるという動きを見せ、福理の過剰情報を存在にロードするという
しかし、それでもなお、福理はギッゾォーテが対話を続けていること、その存在が、魂が嘘の色を帯びていないことでやっと対話の意志を固め、腹をくくった。
ここまで全く雰囲気の動いていないはずの福理を見て、ギッゾォーテが笑ったように語る。
「ヤット、
福理の背に一筋の汗が流れたような気がした。
「
ギッゾォーテの纏う雰囲気に、鳴らす音に若干の不快さが混ざる。
「
福理はギッゾォーテの感情やその機微への理解力に感嘆し、同時に恐るべき第三者に対して、福理のその信条故に、殺意すらも生ぬるい、明確な「滅ぼすという意志」を抱いた。
狂信者の秩序粉砕紀 タングステン @tangstan-h12
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