9日目午後(お宝と再会と真実)
「やったのか…?」
戦闘の余韻が引いていき、少しづつ勝利したということを理解していく。それは他の4人も同じよう、ソルを除いて固まっている。なお、ソルだけは逆に勝ったという気持ちがた管理過ぎて震えていた。
「やった!勝った!勝ったんだよ!!ルナにー!」
「うん…僕たち…勝ったんだね…」
「もう!!ルナにーもっと喜ぼうよ!!」
戦場に可愛らしい勝鬨が上がる。それは他の4人にも伝わり、それぞれが勝利の余韻に浸るのだった。
「そうです! 皆さんドロップ品を回収しますよ!」
「は~い!拾ったものはマモルにーへ持っていけばいいんだよね!」
「ん…ソル…どっちが多く拾えるか勝負…!」
「負けないよ!!」
なお、ドロップ品回収の勝負は沼地を操って一気に回収していたロアとアイルの勝利で終わるのだった。
「ここにいるのですね~」
「ん…そう」
ドロップ回収を終えた一行は、ルナの先導で助けたリュカもとに向かう。ちなみに場所はリュカを助けた部屋。というのも戦闘に巻き込む可能性を考えたルナが残るよう指示したのだそうだ。
「リュカお姉さま~♪」
「ふふ、ロアはいつまでたっても甘えん坊ですねー。」
感極まったロアがリュカに抱きつく。リュカも口ではそういっているが、甘えられて嬉しそうにロアの頭を撫でている。そうやってしばらく、再会を喜んだあと改めてリュカはマモルたちへと向き直る。
「さて、改めて助けて頂いたこと感謝致します。しかし、まさかこんなダンジョンに神様がお越しになるとは思いませんでした。」
姿勢を正してお辞儀をするリュカ。
「お気になさらず。それにいつもの通りに話してもらって大丈夫ですよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えますね。それで助けて頂い皆さんにはお伝えしておかなければいけないことがあります。」
言葉を崩したリュカはそう前置きして、話し始める。
「まず、皆さんダンジョン攻略おめでとうございます。では、私から今回のワールドイベントのヒントを…」
「ちょっと待って?」
「どうかしましたか?」
「いやワールドイベントって何!?」
会話早々に聞かされた聞きなれない言葉にツッコミを入れる護。リュカ自身も神である護なら当然知っているものだと思っていたので、この言葉にすぐに反応することができなかった。
「えっと…聞いてませんか?」
「何も…」
「えっと…あ!もしかして…まだ、参加条件を満たしていないのではないですか?確か、今回の参加には神格が3以上だったはずです。」
「あ、うちは神格2の弱小神様です…」
「…私の力を扱うボスゴブリンなんて、レベル3のダンジョンボスレベルだったので、弱小ではないと思いますよ?本来でしたら、ロアが捕まる予定でしたので。」
今さらだが、このダンジョンは本来なら囚われたロアをリュカと協力して助けることを想定していた。しかし、とある事情により発生したイレギュラーがワールドイベントを加速させ、結果ゴブリンはリュカを捕縛することになる。では、その想定外の原因とは…
「ただ、誰かが隣のエリアにいるボス魔物の一段階目を突破した上でこちらのエリアに逃走したようでして、このエリアの方まで入り込んで来たんです。」
(どうしよう…凄い思いあたりがある…)
思い出されるは初めてこの世界に来た時のこと。確かに護はその強敵の怒りを買った。
「それってどんな魔物だった?」
護も正直効きたくない。しかし、もしかしたら違うかもしれない。その一筋の願いを込めて確認する。
「大地の自由に泳いでいて、背中に生えた植物からは無差別に水魔法を発動してました。そうです!その時周囲の植物を枯らされ、私も吹き飛ばされたんです!」
「付け加えると~その影響で沼地の周辺が~森ではなく~濡れた泥と判定されてしまい~沼地が一気に広がったのです~沼地に浸食という属性が付与されてしまって大変だったのです~」
「あの…頭を抱えてどうかしましたか?」
満役!完全にあの鮫だ!護は心のなかで叫ぶ。
「悪い。それは俺のせいだ…すまん。」
「あ…ま、まあ、結果的にこうして助けて頂きましたし問題ないです。ただ、そうだとするとワールドイベントへの参加は避けられないと思います。」
そう前置きして、リュカは今回のイベントについて話し始める。内容を纏めると、
1.参加条件は神格3以上。条件を満たしていない場合は満たした直後にアナウンスされる。なお、参加前の行動内容は引継ぎになる。
2.今回のワールドイベントは今の創造神の世界ができてから30日目に開催される。
3.期間中は人数による経験値の減少はなし。代わりに一部のボス以外はドロップもなし。ただし、イベント終了後にした経験値量にあわせてアイテムのプレゼントされる。
4.対象となるのは、一定のダメージを受けると形態が変化する魔物である。ただし、どこのエリアにいるかは知らされていない。各エリアを攻略した際のヒントを元に探す必要がある。
「ただ、この魔物さん。エリアの外に出ることを想定してるので他の魔物と違って普通にお外で出てくるんですよね…」
「完全に設計ミスじゃん!」
この状況、実は半分ぐらい
まあ、過去には基本的には戻れない。そう割り切った一行は大きな椅子の裏側。そこに隠すように配置された扉を開くと、真っ白な光が漏れる空間につながっていた。そんな優しい光に包まれながら進む。
「見て!何かあるよ!!」
ぱっと見変わらない風景。しかし、よく見れば真っ白な球体が隠れるように浮かんでいる。それは、このエリアの核。通称エリアコアへと護は手を伸ばす。
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エリアコアに接触しました。
このエリアを支配下に置きますか?
Yes / No
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眼前に現れた画面を操作して、エリアを支配する。
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対称エリアを支配下に置きました。
以降、このエリアはあなたの許可なく他の信徒が侵入できなくなります。
エリアを初めて支配しました。
初回報酬として以下の素材が追加されます。
食材 30
石材 30
木材 30
無料建築チケット × 1
支配した領域で木材変換用神木の収穫ポイントが生成されます。
他に何か設定しますか?
Yes / No
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世界を書き換える青い光。その光が治まった時、青色に染まったコアには【護】の名が刻まれていた。
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