9日目午前(ゴブリンダンジョン攻略戦④)

現在の敵勢力

ゴブリン(剣)Lv2 1体

ゴブリン(弓)Lv2 2体

ゴブリンリーダ Lv3 1体

ゴブリンリーダ Lv4 2体 (Aが斧 Bが槍)

ボスゴブリン Lv7 1体


「ッち!」


「ゴギャー!!」


既に何度目かわからないボスゴブリンと護の衝突。そのたびに、ビーズクッションを殴っているような感触が返ってくる。おそらく多少のダメージは入っているはず。ただ、風の鎧がほとんど無力化してしまっている。それでも、斬撃の嵐が来ないように護は攻める手を止められない。


手入れもされていない大剣が大地に鋭い後を残し、その合間にゴブリンリーダAが斧を振り下ろす。状況は均衡。しかし、2体の連携は着実に護の集中力を削っていく。そして、それは他のゴブリンリーダとゴブリンを相手しているソルも同じである。


迫る槍と矢。手数の暴力が必死に小さな的を射抜かんと迫る。それを掻い潜り、時にで薙ぎ払う。そう、ソルは多数のゴブリンに対して手数を増やすこと対応していた。当然ソルは二刀流なんてしたことはない。しかし、持ち前の戦闘センスとスキルがこの戦闘スタイルを成立させていた。しかし、それでも数の暴力は少しづつ二人をHPを削っていた。


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山下 護

LV 5

HP   49/82 → 41/82

MP   61/81

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ソル

LV 3

HP   27/39 → 21/39

MP   33/33

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ボスゴブリンから離れた隙をついて剣を持ったゴブリンへと水球が放たれる。見事、ゴブリンの顔にぶつかったフィリアの一撃は、顔に張り付いて気道を塞ぐ。


「ゴボ…ボ」


やがて剣と魔石を残してゴブリンは光となって消えた。


「僕も…うぐ」


「アイルは大人しくしていてください!既にギリギリでしょ!」


無理を使用とするアイルにフィリアが叫ぶ。ちなみに、加護の効果が切れた現在のアイルのステータスがこちら。


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アイル

LV 3

HP   33/33

MP   0/47

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ということで、現在アイルは怠惰感と頭痛に苦しめられていた。


「アイル~無理しすぎです~」


そういいながら、ロアは周囲を操ってゴブリンを妨害する。え、なぜまたロア単独で魔法が扱えるのかって?それは護がボスゴブリンの行動をひたすら妨害し続けているから。おかげで、どうにか沼地の支配権がロアの元に来ていた。


そうして、アイルを庇いながら、フィリアたちは着実にゴブリンの数を減らしていく。当然、ゴブリン側もただではやられてくれないので、必死に抵抗をしては来るが。


「ガウ!」


「ネオンありがとうございます。」


「ワン!ッ!ウォーーン!」


そのたびにネオンが守り、弾き二人を守る。ゴブリンに後れを取るようなネオンちゃんではないのだ。気が付けばゴブリンは弓を放っている2体を除いて全てを光に消え去るのだった。


後衛支援組VSゴブリン 後衛支援組、快勝



前衛のゴブリンが消えていたことにボスゴブリンが慌てて切り札を切ろうとする。対する護も捨て身で妨害するがお構いなし。振るわれた大剣により再度戦場は嵐となる…


「ゴゴギャ!?ゴゴギャ!ゴギゴガガ!」


…はずだった


振るった大剣が風を纏う。しかしそれだけ。必殺の一撃が不発したことに慌てたボスゴブリン。慌てて弓を持ったゴブリンに時間稼ぎを指示する。しかし、いつまでたっても放たれる矢はない。


痺れを切らしたボスゴブリンが振り向く。そこで見たの逆さまとなったゴブリンの頭。それが宙を舞う様子であった。


「ん…ソル…お待たせ…」


「ルナにー遅いよー!!」


言葉とは裏腹に、嬉しそう尻尾が揺れるソル。そんなソルの頬にできた傷を見たルナも尻尾もまた激しく揺れる。


「ルナも来たし一気に決めるぞ!」


「だって…ソルは下がっていいよ…疲れたでしょ…」


「まさか!ルナにーこそ、ソルの新すたいるを見てれば!」


前衛3人がゴブリン達に向かって駆ける。対するボスゴブリンは残ったゴブリンリーダを集めて防御姿勢。レベル3のゴブリンリーダは握っていた棍棒を捨てて、ゴブリンリーダBから譲り受けた盾を構え3人を待ち受ける。


ソルが左腕で握った剣とゴブリンリーダの盾が衝突。そんなソルに盾を手放し身軽になったゴブリンリーダBの槍を向ける。しかし、相手はこの3人だけではない。


「私解禁です~」


リュカの影響が弱まった今、この場は支配はボスゴブリンではない。ロアだ。大地が粘土のように強度を失ったかと思えば、次の瞬間にはレンガのように塊、ゴブリンリーダの足を奪うってしまう。


「ガウ!」


その隙にネオンが魔法を発動。ゴブリンリーダAの攻撃を妨害すると共に、それを足場にするソル火の鳥燃える2つの剣を広げ飛びだす。それは赤い閃光となってゴブリンリーダの命を何度も切り付ける。


ソル《太陽》が輝くほどに、ルナ《月》は見えなくなる。しかし、月は見えないだけで消えるわけではない。むしろ太陽の光を反射して強く輝くのだ。


「ソルをいじめた…ゆるさない…」


怒れる月がゴブリンリーダBの眼球にナイフを突き立て、永遠の夜を与える。当然ゴブリンリーダBは、ルナを振り払おうと暴れるが、ルナは絶妙なバランスで張り付いて、逆にその反動を使ってナイフをより深く突き刺していく。結果、抵抗はより強い痛みを生むばかり。しかし、ここで気絶できなかったことをゴブリンリーダBは後悔する。


ルナは左腕振り上げて反対の眼球に突き立て、指先で風魔法を発動させる。当然吹き込まれた空気は頭部を膨張させていき、風船のように膨らませる。その姿はつり上げられた深海魚のよう。


ぱぁーーん


何かが破裂する音がすると、そこにはわずかな光とドロップ品だけが残るのだった。



皆が切り開いた道を護が進む。向かうはただ一人沼地ロアの影響を受けいないボスゴブリン。対するボスゴブリンも後がないことを察して大剣を構え、迎え撃つ。速度は護に、リーチはボスゴブリンに軍配が上がって、状況は均衡。それを崩さんとゴブリンリーダAも斧を振り上げる。


「私を忘れてもらっては困ります!」


フィリアの細く絞られたその水魔法が握られた斧を捕え、弾く。弾かれた斧はボスゴブリンの方へ飛んでいき、


「ナイス!」


さしものボスゴブリンも身の危険を感じて避けようとするが、そこに護が自爆覚悟で一気に間合いを詰める。


護の髪が数本中を舞う。しかし、賭けは護が勝利した。全力の拳ボスゴブリンの腹部を捕えた。


「ゴギャャァ!!」


パキ


乾いた音を立てて、鎧にひびが入る。それでも殺しきれないダメージがボスゴブリンを襲うと同時にこれまで纏っていた風の鎧が弱まる。


「うりゃーー!」


そこに片方の武器を捨ててさらに加速したソルが迫る。この一撃で終わらせる覚悟は纏った炎を燃え上がらせて、の軌跡は走る


ボオォーン!


風の鎧が黄色い炎に包まれる。


供給をたたれ、破損した風の鎧にソルの炎を消す出力はな。むしろ、これまでのリュカの鬱憤を晴らすように炎の檻となってボスゴブリンを襲う。慌てて、風の鎧を解除するボスゴブリン。しかし、慌てるあまりに背後から迫る影に気づかない。


「ん…」


「これで品切れです。」


逆手に握ったナイフがボスゴブリンの足を切り裂き、大地についた手が凍結して大地へと縛り付ける。


「「「「ロア止めを!!」」」」


四人の声がピタリ合う。


「いこうロア…コントロールは任せて」


「アイル~みんあ~」


周囲の魔力を、大地を、かき集めて固めた質量の塊。ロアが持ち得るすべてを込めて作ったその暴力の塊をアイルが圧縮、整形する。それは、小さなロアの大きな拳。怒りの鉄槌。


「私は~あなたを許しません~でも一つだけ。私をみんなにで合わせてくれた、それだけは感謝します~。だから、せめて苦しまずに…消えてくださいな~」


小さな手が振り下ろされる。それに合わせて放たれる暴力は、ボスゴブリンに自身の死すら気づかせずに、光に変えるのだった。


戦闘終了だ


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本日のリザルト

ゴブリンLv1 × 35

ゴブリン(剣)Lv2 × 2

ゴブリン(弓)Lv2 × 2

ゴブリン(盾)Lv2 × 2

ゴブリンリーダ Lv3 × 1

ゴブリンリーダ Lv4 × 2

ボスゴブリン Lv7 × 1


アイテム

棍棒×16

魔石(ゴブリン)Lv1×35

魔石(ゴブリン)Lv2×6

魔石(ゴブリンリーダー)Lv3×1

魔石(ゴブリンリーダー)Lv4 ×2

魔石(ボスゴブリン)Lv7 ×1


棍棒×26

大きな棍棒×3

出所不明の宝袋(大)


鉄剣×2

木盾×2

木製の弓×2

精霊の鎧(破損)×1

鉄の鎧×1

木製の槍×1

戦闘用の斧(破損)×1


ダンジョン攻略報酬 

宝箱(Lv1)

バリスタの矢×4

木材変換用神木×30

鉱石変換用神鉄×30

魔結晶×30

簡易調薬キット


取得経験値

参加人数 5人

ダンジョン攻略報酬 +30

参加人数による減点 なし


ミッションによる取得ボーナス

ロアからのお願い

リュカを助けてボスゴブリンを倒す +10

ロアと協力し、ロアがゴブリンにつかまらずに攻略が完了する +10


討伐取得経験値(個人) +13


個人の総取得経験値 +63点

5人の総取得経験値 +268点(護は神のため取得なし)

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