7日目(ロアとネオンと食事事情)

「と言った感じで、ダンジョン攻略時の味方が増えました。」


あの後、ロアと協力して沼地に沈んがアイテムを回収したアイルたちは、異界へと戻ってきていた。一つ想定外があったとするなら、ロアがアイルの魔力を想像以上に気に入り仮契約をしたままにしたことだろう。まあ、これについてはアイル側も納得しているようなので護たちからは特に追求するつもりはない。


「それにしても、やっぱり護様の方は何か起きるんですね…」


「いや、今回については俺、悪くないからね?」


諦めた顔でそう言い放つフィリアに護も言葉を返す。なお、この物言いではほかの件は自身が悪いと言っているようだがまあ、あながち間違ってもいないので気にする必要はないだろう。


その後はフィリアたちの報告を聞くもこれといった問題はなし。初めて限界まで魔力を使った反動で眠そうにしているアイルを気遣い、早めの就寝となるのだった。


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本日の最終リザルト

護たち

ゴブリンLv1×32

ゴブリンリーダーLv3×1


ドロップ

棍棒×14

魔石(ゴブリン)Lv1×32

魔石(ゴブリンリーダー)Lv3×1


回収アイテム

マゼマゼ粘土のバリスタ弾×1


取得経験値

配分 

アイル 21点

護は神のため なし

総経験値 21点


フィリアたち

ゴブリンLv1×42


ドロップ

棍棒×23

魔石(ゴブリン)Lv1×42


取得経験値

配分 各16.8

総経験値 50.4点


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次の日


今すぐにもゴブリンダンジョンを攻略したいとところだが、ダンジョンを攻略するならせめてレベル3はほしい。そのため、この日もレベリングをしていく。因みにメンバーはいつもの4人と護に頼まれてついて来たネオン、それと


「わん!」


「うわ~かわいいですね~」


当たり前のようにいる、ロアであった。


「いや、ロアなんでいるの?」


「仮契約のおかげで~アイルが来たのがわかったので~来ちゃいました~。お手伝いするので~魔力ください~」


「いや、それは嬉しいけど、ロアは沼地から出てきていいの?」


「少しなら大丈夫です~。それより魔力~魔力~♪」


「まあ、ロアがそれでいいなら…」


「わ~い♪アイルの魔力です~♪」


「ロアちゃん!ソルはソルだよ!」


「ルナ…よろしく…ね」


「フィリアです。宜しくお願い致します。」


「は~い、よろしくお願いしますね~。」


結局この日はマイペースなロアも加わり、攻略速度は一気に上がることになる。



「はいネオン!おやつだよ!」


「ワン!ワン!」


そう言ってソルは今倒したゴブリンの魔石をネオンに与える。それをおいしそうに食べるネオンをロアが興味深そうに見ている。


「ね~ね~?あれっておいしいんですか~?」


「おいしいかはわかりませんが、ネオンは魔獣なので強くなるためにも魔石が必要なんです。」


人が経験を奉納して強くなるよう、テイムされた魔獣や神獣は魔石を食べるほどに強くなる。その際、食べる魔石のレベルが高いほどに成長率も高くなる。なるがその分魔石代がかさむので【テイマー】スキルはお金が掛かるスキルとして有名であった。


「ほへ~。」


「ねーねー!ロアは何を食べるの?」


「私は~基本的に魔力ですよ~。特にアイルの魔力が大好きなんです~。(ジュルリ)」


「…気になってたんだけどそんなに僕の魔力っておいしいの?」


「はい~。私たち精霊は~食べられる魔力がすごーく限定的なんです~。私だと~土と水の属性に偏った魔力か、偏りがない魔力ですね~。一応~二つの属性が混ざってれば~吸収は可能です~。でも~すごーく効率が悪いまずいです~」


そこまで話したところで、ロアはアイルを見ると再度口を拭う。


「でも~アイルの魔力は~なんと言うか~癖が無くて~でもすごく濃厚なんです~。」


以前にもらった魔力を思い出したのか恍惚とした表情。それがどれだけアイルの魔力がおいしかったか物語っている。


「つまり…アイル兄さんの魔力が…ロアさんと相性がいいってこと…?」


「う~ん。微妙に違います~。アイルの魔力は属性が無いので精霊は基本好きだと思いますよ~。」


「属性がない!?偏りが無いでなくて!?」


「そうです~」


精霊は人と違い、魔力を自分の属性に染めて魔法を放つ。故に精霊は自身の属性に近い属性か属性に偏りがない魔力を好む。対して、人は自身の魔力から必要な属性を取り出して魔法を生み出している。


そして、この魔力は人により異なる。例えばソルは生まれつき極端に火属性によっているし、フィリアはスキルにより水属性に偏っている。【精霊術】だって自身の魔力を周囲の魔力で薄めているだけであり、属性を抜いているわけでない。


「でも、それではアイルが魔法をつかえな…あ」


『僕、魔法が使えない体質なんだよね。』


思い出されるのは、魔力の勉強会でアイルの言った言葉。もし、アイルの魔力に属性がないのなら魔法が使えない体質というのにも納得がいってしまう。故にフィリアはアイルになんといえばいいのかわからず沈黙する。


「つまり!アイルにーは!精霊さんの人気者なんだね!」


「そうなのです~アイルはすごいのです~」


ただ、それがどうしたのだろうか。確かにアイルは魔法が使えない。しかし、それもアイルの個性である。否定することではないのだ。


フィリアはそっとソルの頭を撫でる。


「うん?フィリアねーどうしたの?」


「いえ、ソルはいい子だと思いまして。」


「…?フィリアねーに褒められた!わーい!」


なお、ここで褒められたソルと、アイルから魔力を貰うために張りきったロアにより、この日のゴブリン討伐数は歴代一位となるのだった。


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本日のリザルト

ゴブリンLv1×53

ゴブリンリーダーLv3×1


ドロップ

棍棒×14

魔石(ゴブリン)Lv1×53

魔石(ゴブリンリーダー)Lv3×1


取得経験値

配分 各16.8

総経験値 50.4点


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