4日目午前~午後(お留守番の主人公)

4人がダンジョンに向かっている頃、護は神域で本を捲っていた。本のタイトルは「ステータスについて」ついて。


「弟君今後はないを調べてるの?」


「HPとMPってそもそもなんだろって。」


「…哲学?」


「正直謎パワーじゃん?」


「確かにそうだけど…」


「でも、どうやらこれ魂とかそっち方面までいかないとダメみたいだね。」


そういって、読んでいた本を閉じて机の上に置くと、本棚の方に向かう。しばらく探して目的の本を見つけた護は、タイトルに肉体と魂と記載された本を握って戻ってくる。


しばらく、真剣に読み進めていく護をリジアが楽しそうに眺める。


ペラ……ペラ……カツカツ………ペラ…


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魂と肉体について

要約

この世界の生物は肉体と魂を所有するものを意味する。魂も肉体も生まれ落ちたときから創造神の加護を受けている。


詳細

・魂は代謝しており、一週間ですべて新しくなる

・古くなった魂はSP(ソウルポイント)になり肉体に貯蔵される

・SPはHPとMPで構成され、肉体はこのいずれかを吸収すること変換する

・魂の代謝は肉体と精神が正常であるほど正しく行われる

・魂はSPを通して肉体と強くつながっている。


肉体

・肉体はSPを貯蔵する。

・肉体はHPとMPの消耗状況に合わせてSPをHPとMPに変換する。この際HPに変換するときは、SPからMPを吸収。MPに変換するときは、SPからHPを吸収している

・肉体で余ったSPと変換時に吸収されたHPとMPは呼吸に合わせて外部排出される

・HPは肉体を守るための創造神の加護。外的要因での肉体活動停止を防ぐ

・MPは人の思考を形にする創造神の加護。人の可能性を引き出す


トピック

HP・MPの回復

魔法やポーションは対象のSPを急速にHPもしくはMPに変換することで行っている。そのため、一日に何度も回復を繰り返すとこれもまたSPの枯渇につながる。


SPの枯渇症状

まずHPとMPの回復速度が遅くなる。また、SPが枯渇すると魂と肉体のつながりが一時的に弱くなるため動きと思考がぶれるようになる。SP回復の回復は自然回復以外に霊薬の使用で行える。


疑似魂

魂とSPが新旧の関係かつSPがHPとMPで作られている。この関係を利用してMPとHPを混ぜて魂を作れる方法。この方法で作成された魂は操作できるが短期間で崩壊を開始する。そのためよほど相性の良い器に入れないと安定しない。この疑似魂を扱うスキルは下記である。


【ガーデナー】【テイマー】【巫女】及びその上級や派生


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「あー!だからHP消費しないと使えんのか!」


護はそう言って筆を止める。


「終わったの? 」


「終わったよ。大体まとめたと思う。しかし、集中したらお腹がすいた気がする。」


「まだ慣れないのね。何か食べてくれば?」


「…いや、今は食材に余裕がないからね。食べなくても問題がない俺が食うわけにはいかないよ。」


護は神になったので食事は必要がなくなった。これを理由に4人との食事をしていない。しかし、できないと必要はないでは大きな差がある。誰だって食べれるとわかっていれば食べたくなるものだ。何より地球でのこれまでの生活習慣が本来はない空腹感を与えていた。


「それより、【テイマー】スキル!これは欲しい!」


「良いじゃない。私猫型がいいわ。ついでに他のスキルも決めましょ。」


現在、護の取得しているスキルはガーデナー Lv3 精密魔力操作 Lv2 格闘術 Lv6 料理 Lv1 鑑定 LV4 銃術 Lv1 精密魔力操作 Lv2 となっている。神の場合1レベルごとにスキル6つ取得可能。現在フィリアが信仰してくれたことで護の現在のレベルは5に上がっているので、残り13レベルがストックとなっている。


リジアは自身より大きい本を持って護の横にやってくる。タイトルはスキル全集(序)となっており、様々スキルが記載されている。


「弟君だと、【体術】とかもいいんじゃない?」


「ソルが取得しているやつだよね?確か、回避行動に補正が入るやつ。」


記載されたスキル指さしながら会話は弾む。


「【銃術】も使ってみたいんだけど、武器がないからな…」


「あ、【錬金術】と【ガーデナー】を取得してるなら【調薬】もいいみたいよ。」


「ほんとだ書いてある。てか、スキル同士での組み合わせで表示されるスキルとかもあるのか。」


開かれたページには複合スキルについて小見出しが記載されている。その内容を見るにはどうも複合スキルの多くは双方のスキルがレベル5以上が前提になっているようだ。なお、最後に『詳しいスキル詳細はスキル全集(中)を確認』と宣伝が記載されている。


「まあ、候補はこんな感じかな。後は、みんなに確認してみるよ。」


「スキルぐらい自由に取りなさいよ。」


「でも、僕のレベルは彼らがいるから上がったものだし。それに、こういうのは多くの人に相談して決めるのが楽しんだよ。そうだ、リジアもその時は参加する?


「…お姉ちゃんは今十分話し合ったからもういいわ。」


「そっか…まあ、気が変わったいつでも話しかけてよ。俺はいつ声かけられてもいいから。」


どこにいても護と会話することができるリジアだが、フィリアたちが来てからはこの場所以外で声をかけてくることがなくなった。当然、護はそのことに気が付いているが、追求すること気ないらしい。いや、正しくはそれを追求していいのか判断できるほどの付き合いが無いといったところだろう。


そこからは、リジアが最近読んだ本の話や、護の日本での思い出など、たわいのない話が続く。そうして気が付けば時間が過ぎて、いつの間にか午後に入ろうといった時間帯となっていた。


「さて、そろそろ行ってくるよ。」


「あら、もうそんな時間?」


「いや、少し早いけど、みんなお腹すかせて帰ってくるから何か作っておこうと思って。」


そういって、外につながる扉に向かっていく。


「じゃ、リジアまたね。」


「ええ。また夜にでも会いましょ。」


そうして、護はリジアに手を振りながら扉を抜け、教会へと向かうのだった。


教会に戻ってきた護はまずは、4人の料理を作り始める。


「あ、もうお肉の量が少ないな。しょうがない、一度ジャガイモを蒸かしてベーコンで巻いて焼くか。味付けは塩コショウで簡単にと。スープは…材料的に塩コショウかトマトしかないか。出汁とかとれるものがあればいいんだけど…ああ、キノコ系を鑑定して収穫するかな。まあ、今回はトマトベースだね。メインは小麦粉が余ってるから、焼きパンを作ってスープに浸す感じで食べるか。リジア。」


(はいはい、今作りかた調べるわ。)


「よろしく。さてと、調理していきますか。」


まず二つの鍋を準備して水を張り、片方には千切りにしたジャガイモをさらして、片方を火にかける。その間にトマトは角切りにしておく(本当は先に玉ねぎを先に飴色になるまで炒めて入れたい)。そこに塩と胡椒で味を調えていく。その間にリジアが調べてくれた内容をもとに小麦粉と水を塩、油を入れて良く捏ねる。出来上がったものは発酵のため少し放置。


「まだ時間あるしお風呂洗っちゃうか。」


そうして、空いた時間を掃除に費やし、そこから油を引いた鍋を準備して火にかける。そこに先ほど準備した生地を小さく分けて焼いていく。適当なところで裏返して、色目が付いた来たら完成。あとは、油を引き直して準備していたベーコンを焼いていく。すべて焼きあがったら、大皿に盛ってみんなを待つだけ。


「「「ただいま」」!」 「ただいま戻りました」 


まるで図ったように部屋に4人の声が響く。


「おかえり」


護はお決まりの返しをする。


「マモルにー!きいてきいて!ソルたち頑張ったんだよ!」


「マモル様。私の方からも後で相談したいことが…」


飛び込むソルと、今後の相談のためにスケージュールを確認するフィリア。


「まあ、まずはお風呂入っておいで。時間あったから、掃除しておいたんだ。」


そんな庶民的な一言でドタバタの初戦闘は終わりを迎えるのだった。

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