神格1 神様研修中

チュートリアル

1日目朝(勉強の時間)

デミレアが部屋を去った後、部屋には紙の刷れる音だけが一定のペースで響く。時折、止まったかと思うと、白紙の紙にコツコツとメモし、それが終わればまた、部屋には静寂が訪れる。


しばらくそんな時間が続いたあと、本はパタリと閉じられた。


メモの内容は以下のようになっている。

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人と神の成長の違い

要約

人→人は経験値を集めて、それを自分の好きな神に納めることで成長

神→経験値を集めることができないが、人が集めた経験値を受けとることで、人を成長させることができる。神に渡された経験値は神格値となり、異界の改善に利用される。


詳細

・LVup→神に渡した経験値量によりあがる。

・LV上昇に必要な経験値は、魔物を倒すか、ものを作るかで増える。

・信仰する神は自由に変更できる。

・HPが0になった際に転送させる場所は最後に祈祷した神の教会となる。一度も祈祷したことがない場合はランダムに送られる。転送させるかは任意だが、HPが0の状態で何かを行う場合は生命活動の保証はない。


・LVup→経験値を納めた人数、祝福(ステータスの付与)した人数で上昇する。

・渡された経験値は自身の異界の改造などで利用する。納められた経験値量が、一定値に届くごとに、できることが増える。

・拠点の移動はできない。

・HPが0になった場合は自身の教会へ強制移動となり、48時間(2日)は教会の外にでることはできない。


用語

信仰 人が神に経験値を渡すこと。

祈祷 教会で祈りを行い、自身のリスポーン位置を登録すること。

権能 神を象徴する概念。縁結び、芸能など

神格値 神が人からの貰った経験値量。消費制

神格  神の階級。これまで貯めた神格値の総量によってきまる。

→神にとっての第2レベルのようなもの。

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(なるほど、人と神は相互付与の関係にあるのか。)


護はまとめた内容を読み返して、そう感じていた。


「弟君は結構真面目なのね。私、この部屋のこと話してないのに、メモを始めるなんて。」


ずっと黙って眺めていたリジアが声をかけてくる。なお、すでに弟呼びにだいぶ慣れてきた護である。


「すっごい今更なんですが、暇じゃないんですか?」


「あら、弟君が頑張ってる姿を見てるの結構楽しいわよ。あと、私は基本的にここから出ないしね。だからここから弟君の頑張りをのぞかせてもらうわ。」


「出れない?」


「出ないのよ。私は弟君をサポートするためにここにいるだから。」


リジアは頬を膨らませながら、こっちをのぞき込んでくる。


「いい機会だし、この部屋について教えてあげるわ。この場所は神域と言って基本的にあなたが許した神しか入ることができない場所なの。当然一部例外もいるけどね。」


最後の一文で、暗に自身が特別だと誇るリジア。少し気をよくした彼女は本棚のほうに飛んでいく。目的の場所についた彼女は護に手招きする。


護は固まった肩をほぐしながら近づく。並べられた本のタイトルを確認するとそこには、日本の料理、歴史、技術の知識が収められていることがわかる。


「ここには日本の知識が収められているわ。向こうは神として生活するのに必要になる知識ね。大体の知識があるけど、この部屋からはメモ以外は持ち出すことはできないから気をつけなさい。」


「これは…すごいね。」


「デミレアに何が必要か聞かれたから、知識って答えておいたわ。ついでに日本のサブカルチャーもって答えといたから!娯楽にも困らないの!どう、すごいでしょ!!」


「さすがリジア姉ちゃん!俺にできないことを平然とやってくれる!」


「ふふん!恐れ敬いなさい!」


テンションが上がった原因は果たして知識か、それ以外か。それはわからないが、この瞬間この二人の距離が近づいたのは確かだ。


ある程度騒いで落ち着いた2人は会話の続きを始める


「まあ、いろいろ揃えさせたけど、結局は弟君が頑張るのが必須なのよ。本当は本事持ち出しできるようにしたかったんだけど、『それでは彼が成長しないので却下』ですって。少しぐらいいいじゃない。」


「了解。でもそれでも助かるよ。」


あの育成オタク!と文句を続けるリジアであったが、護からの素直な感謝の言葉に少し顔を赤くしながらおとなしくなる。


「さて、最後の説明よ。まずはあなたのステータスを確認しましょう。開き方はさっきの本にあったからわかるでしょ?」


護は自身のステータスを開く

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山上 護

LV 1

HP  30/30

MP  30/30

筋力  11

体力  10

器用  12

精神  12

知力  13

感知  10

俊敏  10


スキル

ガーデナー Lv1 銃術 Lv1 格闘術 Lv1

料理 Lv1 鑑定 LV1 調薬 LV1

権能 親愛

神格 1(0/100)

神格値 100


加護

なし

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「基本的には、よくあるステータス画面だね。あれ?まだ一度も信仰されてないのに、神格値がある??」


「ちゃんとあるわね。その神格値はチュートリアル用らしいわよ。今度は、神格値で作れるものを見ましょうか。」


ステータスと同じように今度は神格値の画面を開く。


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神格値 100

資材 

食材:30 / 60 木材:0 / 60 鉱石:0 / 60 


神格1

畑の建造 神格値消費量:50

初期状態では1週間で収穫になる 

一度の【食材】の収穫量は30


畑のLV上昇 神格値消費量:10

一度に生産され植物の量が20%上昇

最大一つの畑に5回使用できる


鉱山建造 神格値消費量:50

鉱石を採掘することだできる山を設置する 

一度の【鉱石】の収穫量は30

鉱石は採掘後2週間かけて生成される


鉱山のLV上昇 神格値消費量:10

一度に生産され鉱物の量が20%上昇

最大一つの鉱石に5回使用できる


森建造 神格値消費量:50

木材を採取することができる山を設置する 

一度の【木材】の収穫量は30

採取後は2週間かけて樹木が成長する


森のLV上昇 神格値消費量:10

一度に生産され木材の量が20%上昇

最大一つの鉱石に5回使用できる


教会建造 神格値消費量:1000

教会同士はワープして移動することができる

また、教会では神の所在に関せず、経験値をささげることができる。

創造世界に教会の数だけ制圧した地点にショートカットを設定することが可能


建築 神格値消費量:20

人が住める家を設置する。

設置する家のタイプごとに消費する資材は変更される。


建築物

集合住宅:鉱石10 木材 20

マンション型 6家族が過ごせる2階建ての集合住宅


デフォルトの家1:木材 10

一般的な一軒家(平屋)


デフォルトの家2:鉱石5 木材 10

二階建ての一般的な一軒家


商店1:木材 20 鉱石 5

商品陳列用の棚があり。

陳列棚は自由に配置を変更できる


商店2:木材 15 鉱石 10

食品を提供するすることを想定されたお店

食品を補完する施設や、魔力式のコンロなどがる他、食糧庫に接続可能

他の食糧庫とつなげるからその異界の神かその神に権限をもらった人間のみ可能


倉庫:木材 20 鉱石 20

資材などを補完する倉庫

各種資材の取得上限を上限が30上がる


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「表示できたようね。ここに表示されているのが今建築することができるものよ。教会以外は建てることができると思うけど、まずは畑を作ることをおすすめするわ。」


この世界において、異界の畑で手に入る植物は少々特殊である。収穫までが速いのは当然として、収穫時に【食材】が異界に付与されるのだ。この食材は異界内の人数だけ7日ごとに消費されて食料庫内の食材を鮮度を保っている。


「確か【食材】が0になると、倉庫から食料関係が取り出せなくなるんだよね。まあ、それがなくても食べ物は優先だけど。とりあえず一度作ってみる。」


「まあ、それが速いわね。頑張ってらっしゃい!」


護は扉のほうに向かいながら手を振る。


「それじゃ行ってきます!」


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すいません。【建築】の設定を少々変更しました。

これまでは神格値50で住宅4軒の設置可能でしたが、神格値20で1軒に変更します。制限的には厳しくなりますが、神格値の管理をしやすくするのが目的です。申し訳ないですがご理解のほどよろしくお願いします。

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