詩  「永遠」

@aono-haiji

第1話  詩  「永遠」


シュリック

      シュラック


飛んで行って

   飛んでいかないと

      落とされてしまうよ


一度だけ 見せてくれた

        狼の うしろ姿


うしろ姿だから かくせない

         君のやさしさ


私を連れていってくれた

そこは

確かに

このいのちよりも

大切なものを 見せてくれるの?


死んでもいいから

信じられるものに 出会いたかった


この わたしの言葉

君を 追いつめていたの?


君は まるで自信がないといって

背を向ける


君の自信は いらないんだよ

ばかな わたしも やっとわかった

信じるものは 君のほかになかった


だから 前を向いて

わたしの目を見て いいんだよ


初めて見せてくれた 君の手のひら

キズだらけ

これがケンカ? これがナイフ?

これが心のキズ わたしがつけた?


いっしょになりたい

わたしの血と わたしの涙で


わたしの胸の中に 

すべて埋めてくれていいよ

忘れられるまで

眠っていいんだよ


悲しいね

わたしと あなた

こうして

ひとつには なれない

でも ひとつになれないから

なりたいという 思いが

ふたりを

永遠にする



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