僕は心の狭い人間だ。

だから、他人の失敗を見て、内心、ほくそ笑むことも多い。別に、他人が失敗したからといって、自分の得になる訳でもなかろうに。

一言で、「性格が悪い」と言ってしまえばそれだけなのだが、不思議と言えば、不思議である。

人は、本能的に、集団の中での自分の順位を気にするのかもしれない。僕のような、ハグレですらそうなのだから、真っ当に生きている、世の中の多数派の人々もその傾向がありそうだ。

さて、そんな性格の悪い僕でも、投資では、素直に他者（つまり、投資先の社長なり、創業者）の成功を願う。成功者を素直に賞賛する。

当然だ。成功者のさらなる成功によって、自らもその恩恵に預かる。投資とは、本質的に他者の成功を期待するゲームだ。

思えば、日本では、成功者は妬まれることが多い。特に、著名なベンチャーの創業者など、金銭的な成功例は、比較可能性が高いため、すぐに妬まれる。

これは、日本の投資人口が少ないことも一因だろうと思われる。

成功者を見た時に、「こいつは妬ましい」と思うか、「自分を儲けさせてくれる」と思うか。

その分かれ目は、利己性をいかに生産的に活用するか。この一事にかかっている。

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