クレ専

僕は、昨日のオフ会の様子を思い出していた。

気掛かりだった内容を話すことは忘れていたが、初めてクレ専の話を聞いて、とても興味深かった。

僕はRPGが好きで特に何も考えずトリ専としてゲームをし、CRTのことはよく分かっていなかった。

フィズルとかって言われていることも、正直僕も言われても仕方ないかなと思っていたが、結構やりこみ要素があるんだなと思った。


それは社会人のzakiさんが話していた内容であった。

クレ専を名乗るzakiさんは、実は元々はトリ専だったらしい。

僕と同じでRPGが好きで、TOTOをインストールしたとのこと。

とある休日に、暇で暇で仕方がなかったzakiさんは、チュートリアル以降触っていなかったCRTのボタンを押してみた。

トリート投稿には、基本事項『Like』『Feeling』『Matter』『Level』4つの項目がある。

それぞれの項目の仕組みや役割を要約すると、次のようになるとのこと。


尚、次に紹介するFというのは、ゲーム内での通貨のことで正式には、Flush(フロッシュ)と呼ばれている。

10円で1F購入することができる。

Fは購入しなくても、他ユーザーから『いいね!』をしてもらえると、1いいねにつき2Fもらえる。

いいねはフレンド、参加したトリートのTRT同士、参加したトリートのCRTとの相互のみが可能である。

同ユーザーに対してのいいね上限は、1日1回のみである。

CRTは、自身が投稿したトリートに1名でも参加者が出ると、クリアの有無にかかわらず、参加者1名につき5Fもらえる。


『Like』

トリートの全体的な世界観を表現するための項目。

ランダムに抽出される30単語から5単語を選ぶ。

次に出てくる『Feeling』の期毎に選択する。

単語の中には、『可愛い』『激しい』『軽い』などの形容詞や『花』『海』『山』などの景色・風景、『寿司』『お好み焼き』などの食べ物、『犬』『猫』などの動物といった様々な選択肢が出てくる。

3回まで単語の再抽出が可能である。

50Fで30単語の中のチェックを付けた5単語を別の単語に変更することができる。変更される単語もランダムである。

50Fで1期分のみの変更であるが、更に50F使用することで全期分(5期分まで適用可)変更することができる。



『Feeling』

トリートの緩急を表現するための項目。

喜怒哀楽を3期に分けて5段階で選ぶ。

トリートが基本3つのステージで分かれているのも、ここに起因している。

50Fで3期を5期に変更、且つ5段階を10段階に変更することができる。


『Matter』

トリートの根幹となり、悩みの内容を記述する。

いくつかの選択項目とキーワードを記述。

課金要素はない。


『Level』

トリートの難易度を決める。

簡単(45分程度)、普通(60分程度)、難しい(90分程度)から選ぶ。

尚、トリートによって制限時間が定められ、トリートによっても異なるが、おおよそ簡単だと1時間半、普通であれば2時間、難しいは3時間ほどである。

課金要素はない。


そして、

これら4つの基本項目とは別に、50Fにつき1項目追加することができる。

いくつかある追加要素のうちのランダムで5項目選択項目に浮上し、そこから1項目選択する。

1トリートにつき上限4項目まで追加することができる。

その中には次のようなものがある。


『デイレクション』項目

謎解き系、戦い系などの中から、トリートの方向性を選択できる。


『ボス』項目

悪魔、戦闘員、怪獣などの中から、ボスを選択できる。


『ライバル』項目

ライバル出現の有無


『助っ人機能』項目

トリートをTRTと一緒に参加する助っ人を登場させることができる。

これは完全に、CRTの善意のようなものなので、あまり選ばれることはないようだ。


『トラップ』項目

トリートの中に、ミスリードを誘う要素や引っ掛けを入れ込むことができる。

これは、助っ人機能とは真逆の項目であり、ちょっといやらしいCRTが選択するといわれている。


『フロッシュアップ』項目

トリートに参加してもらえると、通常の2倍のフロッシュがもらえる。


『非表示』項目

CRTが選んだ項目を意図的にいくつか選択して、トリート投稿時に表示しない。


など、現時点で明らかになっているのでも、100項目あるようである。


選ばれなかったトリートは、24時間後に自動消去されてしまうが、そこも「次はもっと良いものを!」という創作意欲を掻き立てる。

何より、自分が物語をつくり、TRTを動かしているという感覚が癖になる。

また、『Like』で出てくる単語がランダムであり、中々イメージに合うトリートが生成しづらいという点や、『Feeling』でより機微を表現できるようになるという点も課金したくなる要素の一つである。

やめていったクレ専の中には、好みの単語が中々出ず、何度もやり直しをして、何とか投稿した結果選ばれなかったり、何度やり直しても好みの単語が出なくて投稿自体を諦めていったという人もいるようだ。

トリートは、元々お悩み解決的な要素で投稿するはずのものなのに、通常のままだと「なんかとりあえず投稿しとうぜ」みたいな感じがしてゲーム趣旨と反する気もするとのことだ。


CRTの人気投票なるものも四半期ごとに開催されるようである。

投稿されたトリートは、誰が投稿したものなのか分からず匿名で掲載されている。

誰が投稿したものかは、運営側とそのトリートに参加したTRTのみである。

『トリートが選ばれた回数によるもの』と『いいねの回数によるもの』のそれぞれの最多賞なるものが発表される。

上位200名までが表彰されるのだが、期間内に1度でもトリート投稿したユーザーにはそれ以降の順位であっても順位が知らされるようだ。

zakiさんは、前期にて『選ばれた回数』が187位で表彰されていたが、『いいね数』が492位であったようで、「今期は、両方200位以内を目指す!」と意気込んでいた。


「選ばれた回数多いのに、いいね数少ないって。。。」

と、僕は一瞬良からぬことをつぶやきそうになったが、何とか堪えた。


僕からすると、課金をしてまで投稿しても選ばれないこともあるということに、少し怖さも感じたが、zakiさんの思いはすごく理解し易かった。


僕は手を出さないだろうが、CRTにはCRTの奥深さ、そして闇要素があるのだなと思った。

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