第13話 超人?


自分の体が可笑しい。


1時限目をサボって裏庭に来ていた。


クラスの担任も俺を腫物扱いするから、どうせ咎められない。


それより、今は自分の体の事が知りたい…その気持ちが強かった。


しかし、此処暫く精神的に参ってしまっているのか、体がだるい。


夜眠れていないから、仕方が無いのかも知れない。


夜になると、色々とストレスから解放されるのか、逆に元気になる位だ。


『やってみますか』


思いっきりジャンプして見た。


どう見ても俺の身長と同じ位は飛べている。


良く解らないがバレーボール選手なんか比べ物にならないのは間違いないな。


少し走ってみたが、相当速い。


タイマーが無いから解らないが、体感的には自転車より速く感じた。


近くにあった小石を握りしめてみた。


「はぁぁぁーーっ」


見事に割れた。


流石に粉々にはならないが、普通じゃ考えられない。


もしかして、あの女神は天然なのか?


恐らく、今の俺の能力は『異世界に居た時のまま』だ。


最早、超人だ。


この世界に魔物は居ない。


恐らくは熊位には勝てるような気がする。


この能力なら、格闘技をしてもアスリートになっても必ず一流になれるだろう。


格闘技系の部活の奴らをルールに則って半殺しにし、アスリート組の記録を越え、推薦の邪魔をするのも悪くない。


…おい…俺は何を考えているんだ?


『半殺し?』そこ迄する必要は無い。


たかが陰口にいたずらだ。


なんだか、自分が凶暴性をおびた気がする。


そして…何故か下半身が少したぎり、喉が良く乾く。


あれ程の恐怖を味わった後遺症かな…


人は死を感じると、生存本能で勃起するらしい…


あの恐怖が俺を敏感にしたのかも知れない。


『恥ずかしい』


これも早くどうにかしないと…そのうち変態呼ばわりされるかも知れない。


まぁ、良い。


女神の天然のせいか、今は超人みたいな力が使える。


もしかしたら能力を失うか、取り上げられる、かするかも知れないが。


今は『使える』


地獄のような日々を過ごしたんだ。


少し位楽しんでも良いだろう。



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