第5話 霹靂

「ついたよ」

黒岩に、起こされる。


どうやら寝ていたようだ。


「どのくらい経った」

「一時間くらいか」

「そんなものか」


着いた場所

ここは、彼女の家だ。


「あれ?少し大きくなってないか?」

「ああ。彼女結婚したからな、増築したんだよ」

「婿養子を取ったの?」

「正解」


変わっていないように見えて、細かい所では変わっているんだな。


「じゃあ、俺はこれで」

「黒岩は帰るのか?」

「ああ。仕事があるんだよ」


触れないのが吉だろう。

そんな予感がした。


ベルを鳴らす。


「あっ、お兄ちゃん遅かったね」

「まや、どうしてここに」

妹のまやがそこにいた。


「先回り。ていうか、お兄ちゃんに遅く来てもらった」

「俺に?」

「うん、黒岩さんに頼んでね」

「そうか」


やられたか?」


「さっ、お兄ちゃん。玲亜さんも待ってるよ」

「お前、玲亜の事は知らなかったろう?」

「お兄ちゃんが出かけた後で、電話をもらったの」

「電話?」

「それで、詳しく訊いてね」


まやは入るようにアイコンタクトをする。

お前の家ではないだろう?


まやの後をついていくと、今に通される。

そして、そこには懐かしい顔があった。


「久しぶり。春樹くん」

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