ツンデレ幼馴染から偽装彼氏になれと命令されたので仕方なく彼氏のふりをしていたが、実は全部策略で気付いたら完全に逃げ道が無くなっていた話
第31話 女の子がここまでして誘ってるのよ、手を出さない方が失礼だわ
第31話 女の子がここまでして誘ってるのよ、手を出さない方が失礼だわ
入浴を終えて部屋に戻ると真里奈はベッドの上でくつろいでいた。真里奈はかなり無防備な姿を晒していたためちょっと目のやり場に困ってしまう。
「遅かったわね……あっ、ひょっとしてまさか残り湯を飲んでたとかじゃないでしょうね?」
「そんな事するわけないだろ!?」
とんでもない言い掛かりをつけてきた真里奈に俺はそうツッコミを入れた。残り湯を飲むとかいくら何でも変態過ぎるだろ。
「本当かしら? ちょっと疑わしいわね」
「一体真里奈の中で俺はどんなキャラになってるんだよ?」
「スケベでエッチで変態ってところかしら」
「いやいや、俺のどこを見てそう判断したんだよ?」
「才人が部屋のベッドの下にエッチな物を隠してる事くらい私知ってるわ」
「!?」
真里奈の言葉を聞いた瞬間、俺は驚きのあまり固まってしまう。確かにベッドの下にはネット通販サイトで買ったエロ漫画などを色々と隠している。
「へー、やっぱりそうなんだ」
「……おい、俺に鎌をかけたな」
ニヤニヤしている真里奈を見てようやくブラフだった事に気付いた俺だが時すでに遅く完全にバレてしまった。恥ずかし過ぎて顔から火が出そうだ。
「こんな単純な手に引っかかる方が悪いのよ。それにしてもベッドの下に物を隠すところは昔から変わってないのね」
「うるさい、それ以上触れるな」
「あっ、分かってると思うけど帰ったら全部没収だから」
「いやいや、何でそうなるんだよ」
「あんたの物は全部私の物だから当然よ」
「どんな理屈だよ……」
どこかのガキ大将のような言葉を口にする真里奈に俺はがっくりと項垂れる事しか出来なかった。
「才人をいじめるのにも飽きてきたし、そろそろ寝ましょう」
「そうだな、じゃあ俺はそっちのソファーで寝るから真里奈はベッドで寝てくれ」
ラブホテルのため当然部屋にはダブルベッドしかない。だから俺は寝心地が悪いのを承知でソファーで寝る事にしたのだ。
「何言ってるの、才人もベッドで寝るのよ」
「そ、それは流石に不味くないか……?」
「私が良いって言ってるんだから遠慮は要らないわ。ほら、さっさとこっちに来なさい」
そう言って真里奈は俺の手を引っ張ってくるが、その表情は若干恥ずかしそうだった。もしかしてこいつ無理してるんじゃないだろうな。
「おやすみ」
「……ああ」
真里奈は枕元にあったスイッチを押して部屋の電気を消して豆電球をつける。それからしばらく時間が経過したわけだが俺は全く寝れそうな気配がない。
だって隣に真里奈がいるのだから眠れるはずがないだろう。確かに昔はよく一緒に寝ていたが今はあの頃と状況が違い過ぎるのだ。
そんな事を思いながら一人で悶々としているとまだ起きていたらしい真里奈が話しかけてくる。
「……ねえ、起きてる?」
「なんだまだ寝てなかったのか」
「そういう才人こそ起きてたのね」
「中々寝れなくてな」
俺は真里奈に背中を向けたままそう口にした。すると真里奈は俺の背中に密着してくる。
「ち、ちょっと急にどうしたんだよ!?」
「うるさい、黙ってなさい」
当然の真里奈の行動に驚く俺だったが逆らえるはずが無かった。
「……あんまり密着されると変な気分になるからそろそろ勘弁してくれ」
「変な気分って具体的にはどんな気分よ?」
「えっ、それを俺に聞くのか?」
「いいから早く答えなさい」
男女逆なら完全にセクハラだろ。そう思いつつも俺は素直に答える。
「いや、ちょっとムラムラというか何というか……」
「それって興奮してるって事?」
「真里奈って本当ストレートに聞いてくるよな。まあ、そうだけど」
普段の俺ならこんな事絶対に答えないが今は深夜テンションもあってつい口にしてしまった。
「そっか、実は私もムラムラしてるのよね」
「おいおい、急に何を言い出すんだよ」
どんどんおかしくなっていく場の雰囲気に俺は今にも呑まれそうだ。
「……ちょうどコンドームもここにあるんだしさ、二人で大人の階段を登ってみない?」
「……えっ?」
「ほら、私達って偽装とは言え一応カップルでしょ。なら別にエッチするくらい普通だと思うんだけど」
「な、何言ってるんだよ。ちょっと言ってる事がおかしいぞ」
そう口にする俺だったが下半身は元気になっており体が正直である事は真里奈にバレバレだった。
「じゃあ脱ぐわね」
「おっ、おい……」
激しく動揺する俺の前で真里奈は身に付けていたバスローブと下着を脱ぎ捨てて生まれたままの姿になる。豆電球の明かりの下で立つ真里奈の姿は本当に綺麗だった。
「ほら、あんたも早く脱ぎなさい」
「……でも」
「女の子がここまでして誘ってるのよ、手を出さない方が失礼だわ」
真剣な顔でそう口にする真里奈の顔を見た俺は腹を括ってベッドから立ち上がりバスローブと下着を脱ぎ捨てる。
「私初めてだから優しくしなさいよね」
そう言って上目遣いでこちらを見てくる真里奈の姿を見て俺の中にほんの少し残っていた理性のかけらが完全に吹き飛んだ。
そして俺と真里奈はそのままの勢いで一線を越えてしまった。
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