第8話正直者
僕は23歳〜29歳まで貿易に関する第三者機関で働いていた。
現場は8時半からスタートするので、1番下っ端の僕は6時には出勤して、当日使う書類をコピーしたり、境界テープを準備して、会社の弁当を人数分、食堂で受け取り車に積み込みしていた。
半年先輩のヤツはギリギリに出勤してきて、そいつが更衣室から事務所に現れた時は全てを済ませた後だった。
後輩が出来ても、その役割はずっとした。
後輩が増えてくると、役割を教えて上げて、最後らへんは、現場監督だったので、自分の書類だけは作り、後は後輩に任せた。
だが、6時には職場にいた。
この団体職員時代は、8時半からスタートするが、実際は8時半には現場にいないといけないので、それよりも最低1時間前には出勤してないといけない。
だから、仕事終わりに17時に業務を終了させても、2時間書類整理と申告していた。
それを、総務課が怒った。
総務課の連中は8時半の出勤で間に合うが、業務課はそれが出来ないと言っても、理解されない。
ならば、タイムカードを設置して朝6時からの時間外手当てを申告する。
それを、総務課は嫌がるから、ずっと手書きの出勤時と業務終了の時間を書き込む事になっている。
最初はバカ正直に、終了時間を書いていたが、先輩がそれは、お前が損するだけだぞ!と、言うので始めた。
ある日、夜中の業務終了時は、会社からタクシーチケットが出される。1枚5000円分。
それを、常駐のガードマンに手配してもらっていたが、総務課の課長から呼び出しが。
業務終了時間とタクシー手配時間に2時間差があると。
僕はブチ切れた!
そいつは現場の仕事なんて理解していない。
だから、何で水増し請求をするのか?と、問われたら、休憩時間も働いているのだから、その休憩時間をあるもと前提して計算されては困るから、水増し請求したのだと言うが、話しが通じない。
僕がダメなら、他の職員にその仕事をさせろ!と言ったが、同席した係長は僕を含めて、3人しか出来ない仕事なので、据え置きした。その、係長さえも出来ない仕事。
みんな、楽な仕事ばかり選ぶので、早朝から夜中まで仕事させられて、文句を言われる。
そうこうしていると、不眠症になり、2年後統合失調症を発症させて退職になった。
正直者はバカを見るとは、この事を差すのであろう。
だから、少しのふてぶてしさが必要だろうが、僕には出来ない。
損ばかりして生きている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます