41、小屋を建てるぞ!でっかいぞ
昨日は夕方と言って良いくらいの時間にケーキでお茶会をしたので、食事はそれだけになってしまった。
もともと朝食はコーヒーのみ派だし、忙しいと食事の時間も不規則になりがちだったからあまり気にならない。
こちらに来てからよく動くので朝もしっかり食べることも増えたけれど、まあなくても大丈夫。といいつつ、今日の朝は残りのケーキをおいしくいただきました。
シロップが無いからほのかな甘み。これはこれで美味しい。
もともと食べるときに一気にドカ食いするから、体型ましゅまろんなんですけどね。こっちに来て13日目。
ムチムチマシュマロが、開封3日目のちょっと硬いマシュマロくらいには成りましたよ。
筋肉が付いてきて嬉しい限りです。
目指せ、ムキムキマッチョレディー!
まあ……それはおいといて、明け方に海を見に行くと、ほとんど無い水の中で魚がのたうち回っていた。
潮がよく引いたお陰で石干見の罠に取り残された魚を集めていく。
一応あまりにも小さいやつはリリースして、今日はアジ三匹、サバ二匹、謎の魚が三匹のプチ大量である。嬉しい限り。
罠の中にはほとんど水も無いのにそれでも逃げようとする計八匹を、三人で手分けして捕まえ終わる頃には、朝日も大分昇ってきた。
朝マズメ最高。罠にマズメ時は関係ないか。
謎の魚の一匹はいかにもヤバそうな水玉模様だったけれど毒は無いようで安心。一応内臓も丹念に石で調べてみた。身は美味しいけれど内臓が猛毒のフグみたいなやつもいるから一応調べないと恐いし、私には内臓を破らずに取る様なテクニックは無い。
食べられる魚って、良いよね。ささっと内臓を処理して鱗を取っていく。開いて海水につけて出来上がり。
朝日を背中に浴びつつラジオ体操をした後、粘土板の確認。
昨日が良い天気だったので表面は乾いてきているが、一昨日うっかり一度濡れてしまったのでもう少し乾かした方がよさそう。
まさかの鳥さんのウンチッチが落ちていたので、その部分の粘土は丁寧に削っておく。
真上に木が無くても鳥って飛びながらするもんね……
背の低い椰子のような木から葉っぱをいくつかもいで、上にふんわりかけておいた。
この椰子の木には実はなっていない。
あっても利用方法を思いつくまでしばらくは良いかな。
スポドリだと思って常備するのはアリかもしれないけどさ……。
帰りの道すがら、斜面を登りながらパジェ君に残っていた木を収納して貰う。
まだ隅っこに積み上げていたり、長いまま置いてあった物がどんどんキャンプへと一瞬で運ばれていく。
この能力本当に便利だね。
ありがたや。
思わず拝んでいると、「そんなに有り難がられると、照れるっすー」と言いながら最後に幹が一抱えある大木まで移動させてくれた。
すごいな。
凄いと言えば、あの木をなぎ倒したスラちゃんも凄いけれど。
流石に大木は引っかかって出ないようなので、慌ててキャンプに戻り車から引っ張り出す。引きずるだけでもギリギリの重さ。
適当な長さに切って上を削ればそれだけで作業台にもローテーブルにもなりそうだ。
薪にするのは勿体ないくらい立派だし、利用方法は追々考えたい。
朝の日課も終わった。
魚も一旦干したし、増やしたい種の植え付けもした。
今回はカカオ、コーヒー、小麦、タマネギ、ジャガイモになるように願った。スラちゃんに最初の水もたっぷり掛けて貰う。
数日前に迷いながら作物を決めたのに、その舌の根も乾かぬうちにもう増やすのか、と言う気もしたが。
欲しいものは欲しい。
それに一株ずつでは次代への種を取るのが精一杯だろう。すぐに食卓に上るわけじゃ無い。
まあコーヒーやカカオはだいぶカケではあるが、嗜好品も欲しい。
すぐには無理でも、ゆくゆくは、と言う希望だけでも欲しい。
甘いお菓子があとプロテインバー2本しかない。あ、保存食のビスケットも甘いか。コーヒーはインスタントが二本。
まあ、私にとっては由々しき問題なのだ。
大豆はもう花も終わり小さな実を付け始めている。
先日植えた白菜などの種も小さいが芽を出した。
不思議世界の不思議現象、期待するなという方が無理だ。幸先良いと信じたい。
さて、まずは小屋を建てますか。
いっちょ頑張りますよー。
伸びをしながらマッスルポーズをしていると、スラちゃんが横で楽しそうに真似をしている。つられてパジェ君も。
笑い合って作業を始める。
きっと色々うまくいくさ。
竹は、大体十メートルで切りそろえたとは言え、丁寧に測ったわけじゃないのでそれぞれ大分誤差がある。
まず大体同じ長さの二本を選んでそれぞれ半分に切る。
因みに流石に巻き尺なんて持っていない、と思っていたが、釣り道具の中にフィッシングメジャーが入っていた。
それを使ってちょうど一メートルの棒をつくり、十センチごとに印を入れて物差しにすることにした。
フィッシングメジャーじゃ張りが無くて測りにくいので便利。
五メートルの竹を四本作ったら、次に2.5メートルの竹を四本用意する。
それをそれぞれ縦横に並べて『囲』の形にして蔦で縛っていく。
これが今回の床面積。東西に長い形にしてみた。
交差させて縛る分室内面積は小さくなるけれど、幅2.5メートル、奥行き5メートル。
何故そんなに大きいかと言えば、切る回数を減らしたいから。
生えている竹を斜めに切るのはわりと楽だけど、寝かせて切るのは面倒くさい。
中腰で腰も痛くなる。
そんな理由。薪小屋と干物小屋、保存小屋を兼ねれば良いし。
大は小を兼ねる、を信じます。
竹は有用だと思っていたけれど、竹のいい所をもう一つ発見。
足を乗せて掘るスコップが作れる。
竹の先を斜めに切って、一つ節をまたいだ上に、左右から幅広な四角の穴を開ける。そこに幅と厚みが適度にあって丈夫な薪を差し込めば十文字になる。それを上の方にももう一カ所。
蔦で外れないように固定したらホッピングのような形のスコップのできあがり。
因みに……この薪が細いと足を掛けるとすぐ折れる。のは想定していたけれど、幅が無いと竹の繊維に沿って割れる。のは想定外。
二回、作り直しました。
この苦心のスコップと、斜めに切っただけの手持ちシャベル——スコップとシャベルどっちがどっちだっけ。まあいいや——があると、柱を立てるのが大変楽になる。
床が決まったので、次に柱の位置を決める。
奥行きになる五メートルの竹の内側、四つ角に穴を掘って竹の柱をなるべくしっかり埋める。
ここで早速スコップ大活躍。
それぞれ大体四十センチは埋めたと思う。倒れないようにしかっり土を踏み固めていく。
そして向かい合うように外側にも四本、同じように竹を埋めながら、立てていく。
とりあえず柱を四カ所、計八本立ててみたが、これだけではとても強度が足りないので、途中に二カ所ずつ柱を追加しよう。
ちょうど目印になる、床の横棒があるし。
最終的には奥行きに沿って四セットずつ、計16本の柱を立てることになる。
でも、あーーーーーーー疲れた。
今日はこれでおしまい。
残りの柱は明日立てよう。
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