【第二十】続鳥歌合番付の事
前回にひきつづきまして、『難波津鳥歌合』の「番付表」を見て参りましょう!
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◆八番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》
★★対戦の見どころ★★
左席にモズの枯木殿女御、右席にハイタカの八条院高橋による、本年唯一の
◆九番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》
★★対戦の見どころ★★
鳩ヶ峰
◆十番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》
★★対戦の見どころ★★
左席に鶏ガラのスープ… もとい——ヤマガラのホープ・青葉藤五、右席はシジュウカラのマドンナ・津妼尼の対戦でございまして、奇しくもカラ族の天下一品を決める一戦となりました。一風変わった歌風のヤマガラは、歌禽界随一の技巧を誇るシジュウカラを相手に一波蘭起こすことができますでしょうか——!?
◆十一番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》
★★対戦の見どころ★★
十一番は「三大鳴禽」のうちの二羽の激突でございまス! 左席は歌禽界の「マッチ」ことオオルリの中納言定家、右席は畿内歌禽の「ヨッちゃん」ことコマドリの左馬助武豊という、ともにヒタキ族、ともにこれまで『鳥歌合』無敗の、大注目の初対決にございます! この勝負、果たして軍配はどちらに上がるのか——!?
◆十二番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》
★★対戦の見どころ★★
第十二番はいわくの一戦でございまス。左席は、難波津殿突然の隠退により参席のシラサギ… 右席は、マヒワの謎の辞退に伴って参席となったカラス… なにやら不穏な香りのするマッチメイクではございますが、この
◆十三番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》
★★対戦の見どころ★★
左席にキクイタダキの
◆十四番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》嵐山大堰川出身。参席9回目。
★★対戦の見どころ★★
左席に逢坂山の隠禽・漏刻博士関知時、右席にカワウの主水司水栖常夏の対決… 近畿歌禽の重鎮たるニワトリと、鵜飼の荒武者として知られるカワウの取り組みは、おそらく玄人好みの好戦となること必至でございます。
◆十五番
【左】
《プロフィール》
【右】
《プロフィール》
★★対戦の見どころ★★
最終第十五番——啼いても笑ってもこれで勝負が決まる最終戦——!
左席は、ついについに鷲氏から初参席となる、イヌワシの丹後守の登場でございます。これまでトビやミサゴ、ハチクマなど、屍肉に魚、昆虫などをエサとする猛禽の参席はございましたが、小禽はおろかサギ類やキジ類、トビまでも食すワシタカ類は、とりなしの難しさもあいまって、これまで選出が見合されて参りました。然れどモ、先にハイタカの八条院女房の成功があり、ついで昨年の『ほとゝぎ’S』誌上での丹後守の活躍が認められ、ついに念願の初選出と相成りましてございます。
迎え撃つ右席は、本年最年長にして7年ぶりの参席となる鴨大夫でございます。久方ぶりの参席とは云え、どう猛な猛禽の猛者を相手に、忖度なしで歌合できるのは、この糺の森の老鴨を於いてほかにないと云うことでございましょう。
果たして、イヌワシの丹後守は、初参席初勝利の快挙を成し遂げることができるのか? 鴨大夫は、イヌワシのツメに掛かることなく、生きて糺の森に帰ることができるのか? 然れバ、左席右席の十五番勝負の行方やこれ如何に——!?
【第二十一】につづく——
【参考文献】
木下勝俊『鳥歌合』風々齋文庫(Kindle版) 2018年
松原始『カラスは飼えるか』新潮文庫 2023年
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