【第十八】※筆者註

※関心のない方は読み飛ばして【第十九】へ——


●七夕の因位

 底本の「第二 七夕の因位(いんゐ)、真玄仮粧けしやう文、文の使つかひ打擲ちやうちやく事」にある挿話。

 所謂「カササギの橋」の物語だが、底本の挿話にはいくつかの誤謬がある。それが底本作者の故意によるのかどうかは不明だが、本作では誤謬も含めて大スジ底本に従った。

 ちなみに、底本では「第二」のおしまいに、シラサギの姫に宛てて書いた真玄の仮粧文(恋文)を、中間ちゅうげんのカラス(※底本ではハシブトガラスとは別)が中鴨の森へ届けに行き、そこでサギどもから打擲をボコボコ受けるにされる。それが原因で「第三」以降、カラスとサギは合戦へと突き進んでいくのだが、本作ではまだまだ先の話。


●「おらぁ、餡ころ餅が喰いてえ」

 テレビアニメ『まんが日本昔ばなし』にあったセリフ。常田ときた富士男ふじおが声優を担当していた…気がする。

 七夕の因位の挿話の語りを、市原悦子のイメージにするか、常田富士男のイメージにするかで文体が変わる。今回は後者をイメージした。このセリフは常田富士男へのオマージュとして、あえて挿し込んだ。

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