第19話 鏡アルマジロ

 魔法歴二〇二五年 一二月三日 第三曜日


「次はトキコちゃんの精霊、鏡アルマジロかな?」


 名前 カラテ

 種族 人間族

 職業 格闘神官/双剣使い

 レベル 二五

 ダメージ 〇パーセント

 体力 一五〇ポイント

 精神力 一〇〇ポイント

 筋力 五三

 魔力 三〇

 速さ 二八

 状態異常 無し

 装備 スカートヒーロースーツ

    聖なるハーフローブ    

    銀のガントレット

    銀のアーマーブーツ

    炎の小太刀

    炎のショートソード


「そうだな、トキコも物理防御と魔法防御両方あったほうが良いよな」


 名前 トウケン

 種族 鬼族

 職業 鬼剣士

 レベル 二五

 ダメージ 〇パーセント

 体力 二一〇ポイント

 精神力 四〇ポイント

 筋力 六三

 魔力 二〇

 速さ 二八

 状態異常 無し

 装備 虎柄とらがら陣羽織じんばおり

    黒鉄くろがね胴鎧どうよろい

    鬼族の刀、ぶつ切り丸

    炎の魔剣、レッドマジックフランベルジュ


「じゃこの先の古墳ダンジョンだな、まあ物理攻撃職が三人もいりゃー行けんだろ」


 名前 タテキシ

 種族 人間族

 職業 重装甲騎士

 レベル 三〇

 ダメージ 〇パーセント

 体力 二八〇ポイント

 精神力 二〇ポイント

 筋力 九〇

 魔力 一〇

 速さ 二〇

 状態異常 無し

 装備 ドワーフ職人の戦斧

    フランキスカ

    フランキスカ

    鋼の大盾

    鋼の全身鎧

    厨二病マント


「ありがとうカラテちゃん、トウケンくん、タテキシくん」


 名前 トキコ

 種族 人間族

 職業 精霊召喚師/魔獣使い

 レベル 二二

 ダメージ 〇パーセント

 体力 五〇ポイント

 精神力 一七〇ポイント

 筋力 二〇

 魔力 五三

 速さ 十九

 状態異常 無し

 装備 星の魔女帽子

    甘ロリマント

    甘ロリワンピース

    桃の木の杖

 従者 ハラヘリキンゾクネズミ シロ

    ハラヘリキンゾクネズミ マロ


 わたしたちは鬼族の村近くの森で何回かの戦闘をこなし結構連携が取れるようになっていた。

 みんなゲーム得意だからだいたいの役割がわかっていた。


 *


 古墳ダンジョン、鬼族の村の近くにある半円球の山のようなダンジョン、入り口は巨石の扉があり、その奥に鏡アルマジロと言う精霊さんが住んでいる。

「通路の石おっきいね」

 古墳ダンジョンの通路は巨石で組まれた巨大な通路があり、ヒカリキノコが青白い光で照らしていた。

「ああ、昔鬼族の手で作られたらしい」

「鬼族って力持ちだもんねトウケン」

 通路の前を歩くカラテちゃんとトウケンくんが話す。

「キャッ」

「どーしたトキコ!」

「大丈夫トキコちゃん⁉」

「問題ねー、俺がうしろで見てる」

 わたしが通路との石のスキマにつまづいて、転びそうになったところをタテキシくんが支えてくれた。

「ありがとう、タテキシくん」

 わたしはお礼を言う、感謝の気持ちは大切!

「ウッセー! ドジっ子アピールですか? まず転ぶな!」

「うう……」

 帰って来る言葉が厳しい……。

「タテキシ、オマエホント素直じゃないな」

「女の子のハートつかめないぞ!」

 トウケンくんとカラテちゃんがフォローしてくらた。

「ありがとう、カラテちゃんトウケンくん」

 涙。

「甘やかすんじゃねー、コイツ成長しねーだろが‼」

「確かにそうだな……」

「それもそうね、トキコの事よろしくタテキシ君」

「カラテちゃーーん、トウケンくーーーーん」

(見捨てられた‼)


 *


「わっ、スゴイ広いよ‼」

 通路に魔物は出ず、そのままでっかい半円球の巨石組の広間に出た。

「ヒカリキノコが天井で星みたいだ……」

「まるでプラネタリウムね」

 トウケンくんとカラテちゃんが全天で輝く夜空みたいな光景に驚く。

「ケッ、くだらない!」

「タテキシくんはジョウチョがないなー」

「お前こそ口なんてポカンと開けて見上げてるとクモとかコオロギとか落ちて来るぞ」

「えっ‼」

 わたしは慌てて口を手で塞いだ。

「トキコちゃんとタテキシくんはなかよしね」

「良かったなタテキシ」

 カラテちゃんとトウケンくんが笑う。

「なかよしじゃねーし、良くもねーわ‼」

 タテキシくんが全力で否定する。

(なかよししたいのに……)


 *


「でもココがゴールか? 鏡アルマジロは?」

 トウケンくんがちょっと広すぎる場所に戸惑う。

「アレは何?」

 広い広間に目が慣れ始め、広間の真ん中に何かが建っているとわかる。

「何だ? 鳥居かぁ?」

 広間の真ん中に大きな石の鳥居が建っていた。

 鳥居の柱の下にはヒカリキノコがあったが鳥居自体はすごくキレイだった。

(なんかあの鳥居、見たことがある?)

「あっ、なんかいる‼」

 わたしは鳥居の柱に隠れる何がを見つけ走り出した。

「バカ! トキコ‼」

「ダメよトキコちゃん、一人で行っちゃ‼」

 わたしは二人の前に出ようとする。

「ぐへっ‼」

 わたしは襟元えりもとをつかまれ、首がぐへってなった。

「勝手に動くな!」

 タテキシくんだった。

「よくつかんだなタテキシ」

「ありがとうータテキシ君、トキコちゃんいつも突然動くから」

「ちゃんと見てねーからだ!」

「見ててもすり抜けるんだよトキコは」

「愛ね、タテキシ君の愛の力ね!」

「愛じゃねーし!」

 どうもわたしの行動はトウトツに始まるらしく瞬間的に捕まえられないらしい。

 タテキシくんスゴイ!

 そしてスゴイ顔真っ赤だよ。

「トキコ、突然走んなよ、危ないだろ!」

「ちゃんと一緒にいてねトキコちゃん!」

「わかった!」

「絶対わかってねーよコイツ、気を付けろ!」

(わかってはいるんだけど……つい……)

「『つい』じゃねーよ!」

(心読まれた‼)


 *


「それでトキコちゃん何を見つけたの?」

 カラテちゃんがわたしが走り出した先の鳥居の方を向く。

「右の柱のカゲに何か隠れたんだよ」

「向かって右かトキコ?」

「うん」

「何もいねーじゃねーか、お目々ピンボケかコイ……」

「なんか光ったわトウケン!」

「タテキシ、トキコを護れ!」

「もうやってる‼」

 わたしの前でタテキシくんが大盾を構える。

 バァーーン!

「イッテ!」

 タテキシくんの縦に光る何かがぶつかって来た。

 そのまま天井方向に跳ね上がる。

「鏡の鱗、マルマリ攻撃、精霊鱗甲目せいれいりんこうもく鏡アルマジロ! トキコ、オマエの新しい友だちだ!」

「倒せたらねトウケン」

「あっちは魔法を反射するが物理防御にはよえー、物理攻撃でおしまくっぞサンシターー‼」

「喰らえ、レッドマジックフランベルジュ!」

「はぁっ⁉」

 トウケンくんが落ちながらマルマリ攻撃をしてきた鏡アルマジロに炎の魔剣、レッドマジックフランベルジュを振り上げる。

「アッチ!」

 トウケンくんに鏡アルマジロが跳ね返したレッドマジックフランベルジュの追加効果の炎が跳ね返る。

 鏡アルマジロは剣撃のダメージを受けて跳ね飛ばされ、地面に落ちた。

「テメーは考えなしですか? 脳筋野郎ですか?

 魔剣だって魔法だぞ跳ね返るわ‼」

「そうなのタテキシ君⁉」

 カラテちゃんがさっそうと抜いた炎の小太刀と炎のショートソードを両腰のサヤへと戻す。

 カラテちゃんは少しテレて人差し指でホホをなで、銀のガントレットを構えた。

「トウケン、鬼族の刀使って!」

「チッ、せっかく作ったフランベルジュが……」

 トウケンくんは背中のサヤに炎の魔剣、レッドマジックフランベルジュをしまって、腰の鬼族の刀、ぶつ切り丸をサヤに入ったまま構えた。

「トロ女、テメーは俺のうしろに隠れてろよ」

 タテキシくんがそう言って人が隠れられるほどの大きさの長方形の鋼の大盾を地面に斜めにつけてわたしの為に斜面装甲を作る、盾は斜めに構えると構造厚くなり、力を逃すようになるのだ

「イヤ! わたしも戦う! わたしの精霊、鉄壁ダンゴムシのオダンゴちゃんも物理攻撃できるもん!」

「タテキシ、トキコのガード頼む」

「トキコちゃんの好きにさせてあげて」

「チッ、しゃーねーな、トキコ、テメーは常に俺を盾にして動くんだぜ、わかったな!」

 タテキシくんが振り返る。

「わかった‼」

 顔を戻すタテキシくんが少し笑ったように見えた。


「物理防御の精霊よ、契約に従い我の元へ来たれ! 我が名はトキコ、そなたはオダンゴ!」


 物理防御の精霊、オダンゴちゃんがあらわれる。

 オダンゴちゃんはいつものようにたくさんの足をパキパキ動かす。

 かわいい!

「やんぞサンシタども‼」

「オダンゴちゃん、マルマリ回転アタック! 鏡アルマジロの注意を引いて!」

 鉄壁ダンゴムシのオダンゴちゃんが丸まり鏡アルマジロに突っ込んで行く。

 鏡アルマジロは丸まり物理攻撃は自分が不利とオダンゴちゃんの攻撃をボールのように丸まってかわす。

「そうよね、避けるわよね」

 カラテちゃんがそれを読み、転がる先に走り込む。

「トウケン、行くわよ‼」

 カラテちゃんは丸まって鏡アルマジロノボールを少し大きめのサッカーボールみたいにトウケンくんの方に蹴り出した。

 弾道はトウケンくんの真正面、居合い抜きに絶好の弾道。


鬼居合おにいあい術、ヒカリの一筋ひとすじ


 トウケンくんの正面に光りの線が地面と平行に走る。

 刀はすでにサヤへと戻っている。

「速い!」

 タテキシくんがそのワザのキレに目を奪われる。

 鏡アルマジロは斬られた空中で動きを止め、光りの粒となって一度消えた。


 *


 鏡アルマジロが再び光と共に顕現けんげんしてわたしの前に現れる。

(なんかこの子モジモジしてる)

 右手と左手の爪と爪をあわせてモジモジして て、かわいい!


「魔法防御の精霊、鏡アルマジロ、我と解約せよ、我とともに生きよ、我とともに世界のことわりを護れ、我が名はトキコ、そなたの名はカガミ」


 精霊は自分を倒した精霊召喚師につき従う。

 強い者のそばに居た方が生存性が高い本能からだ。

 わたしは鏡アルマジロのカガミちゃんと契約した。

 魔法防御の精霊、鏡アルマジロが仲間になった。

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