第18話 四人パーティー

 魔法歴二〇二五年 一二月三日 第三曜日


「まあだいたいこんなもんだろ」

 鬼族の鍛冶屋、テッカバ・ツチウチロウタさんがトウケンくんに新調した刀と新しく打ってくれた両刃の剣、打ち直した小太刀こだちとショートソードを渡す。

 新調した刀は肉厚で重そうで、あんなのに斬られたく無いって感じの刀で、新しく打った剣は前に持ってたロングソードと同じくらいの長さのウネウネとした波刃なみば両刃刀身りょうばとうしんを持つ変わった剣だった。

「鬼族の刀、ぶつ切り丸、その名の通り鬼族の力が無いと扱えん鬼族の為の刀じゃ、そして炎の魔剣、レッドマジックフランベルジュ、お前さんが持ってきたレッドマジックメカアントの炎の魔法石まほうせきを刀身に埋め込んだ、敵を斬れば炎の追加効果を与え唱えれば炎の魔法攻撃が可能じゃろう」

 刀鍛冶のおじいさんテッカバさんは得意げにそう言った。

「いい感じだ……」

 トウケンくんは鬼族の刀、ぶつ切り丸と炎魔剣剣レッドマジックフランベルジュを両手に持ち並べ、その刀身から伝わる迫力を感じていた。

「カラテ、コレはお前に受け取って欲しいんだけど……」

「さっき仕立て直したショートソードじゃない」

「格闘神官じゃ使うきかいはないかもしれないけどお守りくらいに思って持っててほしいんだ」

「べっ、別に、いいけど……」

(カラテがちゃんなんかテレてる?)

 カラテちゃんがショートソードを受け取る。

「あっ、そうだトウケンそっちの短くなった刀もちょうだい!」

「はぁっ⁉ なっなんで?」

「借金したよね」

「金は返したろ?」

「利息よ利息!」

「テッカバさん、このショートソードと小太刀に私の魔法石を入れてくれる?」

「ちょっと待って、小太刀は鬼族の刀と腰に二本差しにしようと思ってたんだけど!」

「別にいいじゃない、長いの二本あるんだし」

「鬼か‼」

 カラテちゃんは鬼族より鬼だった!

 わたしは思った借金は危険だ!

 絶対カラテちゃんから借金しちゃダメだ!

 カラテちゃんの取り立てがひどい!

 わたしは借金の危険性について学んだ。


 名前 トウケン

 種族 鬼族

 職業 鬼剣士

 レベル 二五

 ダメージ 〇パーセント

 体力 二一〇ポイント

 精神力 四〇ポイント

 筋力 六三

 魔力 二〇

 速さ 二八

 状態異常 無し

 装備 虎柄とらがら陣羽織じんばおり

    黒鉄くろがね胴鎧どうよろい

    鬼族の刀、ぶつ切り丸

    炎の魔剣、レッドマジックフランベルジュ


「オレ、二本差しにしたかったのに……」

 トウケンくんはなんか悪者みたいな装備になった。


 名前 カラテ

 種族 人間族

 職業 格闘神官/双剣使い

 レベル 二五

 ダメージ 〇パーセント

 体力 一五〇ポイント

 精神力 一〇〇ポイント

 筋力 五三

 魔力 三〇

 速さ 二八

 状態異常 無し

 装備 スカートヒーロースーツ

    聖なるハーフローブ    

    銀のガントレット

    銀のアーマーブーツ

    炎の小太刀

    炎のショートソード


「ガントレットの近距離物理攻撃と魔剣の中距離魔法攻撃を使いわけて臨機応変に闘うわ!」

 カラテちゃんは双剣使いの職業をたしたら忍者みたいになった。


 *


「で、これからどうする?」

 鍛刀場たんとうじょうから出るとタテキシくんがこれからの方針について尋ねる。

「とりあえずなんか切りたい!」

「私は炎の魔法使いたい!」

 カラテちゃんとトウケンくんが物騒すぎる……。

「オレもココの道具屋で投げ斧、フランキスカを二本買ったしダンジョン潜る前にためしたい」


 名前 タテキシ

 種族 人間族

 職業 重装甲騎士

 レベル 三〇

 ダメージ 〇パーセント

 体力 二八〇ポイント

 精神力 二〇ポイント

 筋力 九〇

 魔力 一〇

 速さ 二〇

 状態異常 無し

 装備 ドワーフ職人の戦斧

    フランキスカ

    フランキスカ

    鋼の大盾

    鋼の全身鎧

    厨二病マント


 わたしのパーティーヤバい人しかいない……。


 名前 トキコ

 種族 人間族

 職業 精霊召喚師/魔獣使い

 レベル 二二

 ダメージ 〇パーセント

 体力 五〇ポイント

 精神力 一七〇ポイント

 筋力 二〇

 魔力 五三

 速さ 十九

 状態異常 無し

 装備 星の魔女帽子

    甘ロリマント

    甘ロリワンピース

    桃の木の杖

 従者 ハラヘリキンゾクネズミ シロ

    ハラヘリキンゾクネズミ マロ


 わたしたちは鬼族の村の周辺で試し切りをする事となった。

(みんな怖い……)


 *


「メカスコーピオン、色は黒、魔法付与なし四匹! 鬼野郎おにやろう鬼嫁おによめ、遠距離から心臓部を狙え、シッポの毒針に死ぬほど気を付けろや‼」

 けっこう経験豊富なレベル三〇、タテキシくんが指示を出す。

 そしてそう言った矢先すでにタテキシくんは鬼族の村で買った投げ斧、フランキスカを投げメカスコーピオンBの正面、頭にあるセンサー部を破壊していた。

 タテキシくんは大盾の裏からもう一本のフランキスカを取り出しスコーピオンCに投げメカスコーピオンA、Dを分断する。

「カラテ、センサー壊したのは後回し、先に左右のやつを叩くぞ!」

 トウケンくんがメカスコーピオンに飛び乗りシッポの攻撃を鬼族の刀、ぶつ切り丸の重さで弾くと逆手に持った両刃の波打つ剣、レッドマジックフランベルジュでメカスコーピオンDの心臓部を貫いた。

「借金のカタの切れ味試しますか」

 カラテちゃんがひらりと月面宙返り、ムーンサルト後方二回宙返り一回ひねりでメカスコーピオンAの真上を取りそのまま落下しながらシッポの先端を炎小太刀で焼き切り落とし、その心臓部を真っ赤に焼けたショートソードで貫いた。

「トロ子テメーは俺の後ろに隠れてろ!」

「え? え? え?」

 わたしはメカスコーピオンを次々と倒すカラテちゃんトウケンくんに驚きながら、盾役が居る安心感を享受きょうじゅしていた。

「カラテ!」

「わかってる!」

 カラテちゃんが炎の魔法石が入ってる小太刀とショートソードをクロスさせる。

「輝け炎の魔法石、ファイヤーウォール‼」

 魔剣から炎が上がり二匹のメカスコーピオンを取り囲む。

「喰らえ……」

 トウケンくんは鬼族の刀、ぶつ切り丸をサヤにおさめ、炎の剣、レッドマジックフランベルジュを両手で持って振り下ろした。

「輝け炎の魔法石、ファイヤーボール!」

 炎の玉がメカスコーピオンCに命中する。

「もう一発……ファイヤーボール‼」

 今度はメカスコーピオンBに命中。

 わたしは何もすること無く、四匹のメカスコーピオンが倒された。

(破壊神だ……)

 試し切りと初めての敵だった為、動力宝石は諦めた作戦だった。

 なんかわたしたちとっても強い。

(わたしなんにもしてないけど……)

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