第15話 カボチャの煮物とおじいちゃん
西暦二〇二五年 一二月三日 水曜日
「おばあちゃんただいまーー!」
今日は早くわたしが住んでいる
おじいちゃんは軽トラックの中で、「
わたしはおばあちゃんを安心させたくて大きな声でただいまって言った。
「はいはいおかえり時子ちゃん、今日はいいもんがあるよ」
「いいもの? 何? 何? あっ」
わたしはニオイですぐに気づいた。
「カボチャだ!」
「時子ちゃんはカボチャ好きだろう?」
「大好きーーーー!」
「カバン置いて置いで」
「はーーーーーーーーい!」
わたしは全力で急な階段を上がり、自分の部屋にスクールバックを置いて降り、急いてお池の金魚、出目金のデメちゃんにご飯をあげてお台所兼ダイニングに戻った。
ちゃんと手は洗ったよ!
*
「おじいちゃんカボチャ美味しいね」
わたしは中までしっとりホクホクの甘いカボチャの煮付けをご飯の上にのっけて食べた。
「そうだろ、そうだろ、じーちゃんとばあちゃんが作ったカボチャだからな」
おじいちゃんはお皿の上でお箸を使い柔らかなカボチャの煮付けをゆっくり切ってそのまま口に運ぶ。
モフモフと噛んだのち、渋めのお茶でカボチャを飲み込む。
「フフフ」
おばあちゃんが少し含みのある笑い方をするのでわたしはおばあちゃんに聞く。
「どうしたん?」
おじいちゃんが首を横に振る。
「フフ、おじいちゃんカボチャ苦手なのよ、時子ちゃんが喜ぶから一緒に食べてるの」
「おじいちゃんはカボチャ苦手?」
「……何をバカな事を言ってる、ワシ、カボチャ大好きだぞ、うまいうまい」
おじいちゃんが口いっぱいにカボチャをほお張る。
「うまいうまい言ってるよ、おばあちゃん!」
「ウグツ‼」
トントントントントントン!
「おばあちゃん! おじいちゃんノドつまった‼」
「ハイハイ、お茶ですよ」
「アッチ」
ズズズ。
「アッチ」
ズズズ。
「アッチ」
ズズズズズズー。
「無理して食べるから」
「無理などしてない!」
「無理しちゃだめだぞおじいちゃん、苦手なら私が食べてるの手伝ってあげる」
「時子はカボチャもっと食いたいじゃろ!」
「時子ちゃん、まだいっぱいあるからおじいさんのはおじいさんに食べてもらいましょう、好き嫌いせず栄養のとって長生きしてもらわないと」
「わかった! おじいちゃんはそのカボチャを食べる、わたしはカボチャをおかわりする!」
わたしはカボチャが空っぽになったお皿を持ってカボチャがいっぱいの鍋へと向かった。
「わたしカボチャなら無限に食べらるよ」
「売る分まで食べんでくれよ時子」
「わかったおじいちゃん!」
*
「わたしお風呂してくるー」
食べたらお風呂!
「上がったー」
あがったら、くまさんパジャマ!
*
「時子、今日はカラスの行水か?」
「風でも引いたの時子ちゃん?」
いつもと違い早くお風呂をあがったので心配される。
「明日に早く起きて、朝もう一度入る、空手ちゃんみたいにいい匂いで学校行くー」
(いい匂いの女子になる‼)
「早く起きれる? 時子ちゃん」
「起きれるー」
「無理じゃな……、夏ならラジオ体操あるからなんとか行けそうじゃが、今は冬じゃしな」
「時子ちゃんは寒いのニガテだから……」
おじいちゃんとおばあちゃんのわたしに対する信頼度が低い!
「大丈夫だよー、起きれるよー」
「今日は早く寝るんかい?」
「ううん、空手ちゃんと刀剣くんとあと、盾騎士くんとゲームするよ」
今日は新しい友達の報告できた!
「盾騎士くん?」
「だれじゃったかいの?」
「今日できた友だち!」
(イジワルでクチワルな友達だけど……)
「あんまり夜遅くまでゲームしてちゃダメよ」
「わかった!」
「友だちは大切にな」
「わかった! 適度にゲームして早く寝て、明日朝お風呂するー!」
わたしはむぎ茶を一飲みして更にもう一杯。
「じゃわたし異世界行ってくるからーー」
わたしはバタバタと二階に上がって行く。
「頑張りな、時子」
「おやすみ、時子ちゃん」
おじいちゃんとおばあちゃんがわたしを見上げる。
「頑張る! おやすみなさいーー」
わたしはおじいちゃんとおばあちゃんと友達が居るから元気でいられるんだと思ってる。
だから生活の全てには大事な事が詰まっていると思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます