第42話 砂の街

灰色の空、スラム街の路地裏で老婆が砂で汚れた地面に這いつくばっている。

老婆が這いつくばって歩いていると、頭が何かにあたった。顔をあげるとみすぼらしい格好の少年が立っている。

少年に言った。

「お腹がすいたのかい? 砂を舐めるといいよ」

「うん」

少年もさっきの老婆の真似をした。

ある日、少年は砂遊びを始めた。砂で人間を作った。

老婆は、死んで砂になる前の人々を思いだして泣いた。

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