第32話 馴れ初め
薄暗い部屋。奥に暖炉があり、その側で老婆が椅子に座り編み物をしている。
老婆の前に十歳の女の子がいる。
「おかーさんとおとーさんの『なれそめ』を教えて!」
老婆は苦い顔をしたが意を決した。
「出会ったのは、数十年前、戦争が終わった直後。外国からやってきた男の人……ああ!」
老婆は編み物を落とした。
「どうしたの!?」
「……申し訳ないねぇ。まぁ、とにかく、その時、出会ったのが、おじいちゃんだったんだよ」
女の子は首をかしげる。
「……すまないねぇ。あたしがお母さんを殺してしまったんだよ。望んでなかった子だったから」
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