第29話 惑星のプレゼンテーション

広い部屋。

室内は薄暗く、奥に大きなモニターがある。

部屋の真ん中には長方形のテーブルがあり、各国の要人が椅子に座っている。

モニターの前に立っている中年の男が説明を始めた。

「つまり、我々が生き延びるためにはこの資源の枯渇した惑星を捨て、新しい惑星を作るしかないのです。そのためにどうか! どうかご協力をお願いします」

椅子に座ってるうちの一人の年老いた男が顎を少し上にあげて見下すようにして言った。

「新しい惑星を作ったとしてそこの資源も食い潰すのではないのかね? 」

「その点に関しては問題ありません。ここでは地理や気候上、不可能であった豊かな自然や捕食対象の生物を作る計画ですので」

火星人たちは人工惑星を作ったが、移住するために航行中、事故が起きてほぼ全員が死んでしまった。

人工惑星『地球』では作られていた生物が成長し、人間が星を統治するようになった──火星人の生き残りが再び地球を目指していた。

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