第20話 救世主殺し
青い空。
白い雲の上。
たくましい髭の男──神が、雲の上に寝かせている赤ん坊を見ながらうーんと唸る。赤ん坊の背には鳥の羽、ワニのような口。
側にいる天使が神に聞いた。
「なにをしてるんですか?」
「今、地上にいる人間どもは情けないので、優れた人間になりうる赤ん坊を作って、人間に産ませるのだ。噛む力が強いワニの口と、空を飛べるように鳥の翼をつけたが、あとはなにをつければいいだろうか?」
「イルカの頭をつけてみては? 賢くなると思います」
神は赤ん坊にワニの口と鳥の翼、イルカの頭をつけて、地上に送り出した。
人間たちは産まれた赤ん坊を気味悪がって殺してしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます