こんばんは、御作を読みました。
そ、そんな。秀吉さんと言えばラスボスのはず。
天下人を目指す今、こないな良心がまだ残っていたなんて(なんて言い方だ
……というのは過激な意見ですが、まさかの本作の解釈に目から鱗が落ちました。
秀吉にとっては信長さんも帰蝶さんも恩人ですからね。
心の温かくなる話でとても良かった。面白かったです。
作者からの返信
まあほら、清濁併せ呑むラスボスだったんですよ。
だから「清」の部分が生き残って……(笑)
そんなわけで(どんなわけだ)、秀吉が「待」っていたのは信長でした^^;
帰蝶さん、この人史実でもどう生涯を終えたか謎の人なんで、いっそのことと思って、待庵で信長を待つことにしました。
一つの手を打ったと思いきや、それが波及する手を打つ男、秀吉。
この「待庵」という一手で、外には茶室の新時代のリーダーをアピールし、内には帰蝶と信長への想いを待つ場を設けました。
……こういう解釈をしてもいいかな、と思いまして^^;
ありがとうございました。
完結まで拝見いたしました。
秀吉にとって茶室は手段に過ぎなかっただろうとは思っていましたので、この意味づけは目から鱗でした。
二畳の茶室の理由が、ロマンティックでもあり、忠義や恩義、語られた通りの、湧き上がる「さまざまな想い」があれこれと想像されてとてもエモーショナルに感じました。
それでありながら、閑寂であることを主眼とする茶の湯と、完全でない二畳の茶室のオーバーラップも珠玉で唸らされます。
『ストライク・バック』から引き続いて、素晴らしいお話でした。
ありがとうございました。
作者からの返信
史実の秀吉は、文化面でも新しいリーダーは自分である、とアピールしたかったみたいです。
そういう意味では、たしかに手段でした^^;
しかし、拙作では小説的な盛り上がりを考えて、待庵の「待」という字に着目して、「待つため」の茶室――では誰を待つのかというところで、想像を膨らませてみました。
そうしたら、失われた主君、姿を見せない夫、あるいは彼と共に、彼女と共に過ごした、いわば青春の日々……そのようなものを待つ、偲ぶ、そういう茶室という着想を得ました。
これなら、「足りない」ということを美としてとらえる茶の湯とリンクすると思いまして、筆を執った次第です。
……それについてお褒めいただき、まことにありがたい限りです。
また、「ストライク・バック」からお付き合いいただいた上に、こちらまでお読みいただき、嬉しい限りです^^;
ありがとうございました。
素晴らしい作品と出会いました。大人の話ですね。先が気になって、どんどん拝読しました。そして、読後感が、素晴らしい…感動を、ありがとうございました。
作者からの返信
まずは素敵なレビューをありがとうございます。
何というか、具体的に言ってしまうとネタバレになってしまうところを、抽象的に、美しく表現なさっているレビューコメントで、私にはもったいないぐらい素晴らしいレビューです。
ここからは応援コメントへの返信です。
もしかしたら、二畳の茶室を作るなんてどうしたら……と悩む宗易の姿が、「大人」という印象を形作ったかもしれません。
この国を代表する茶人なので、なるべく器の大きい感じに描こうと思って書いておりましたので。
それとこの頃の羽柴秀吉とそれを中心とする世の中の動きに、うまくリンクできたことが、自分なりにうまくやれたなと思っておりましたが、そのあたりが「先が気になって」に繋がったのかもしれません。
……感動というお言葉をいただき、私も感動しております。
物書き冥利に尽きます!
ありがとうございました。
欠けたるがゆえの美しさ。
それは、あの有名な女神像の腕のように、想像によって補われ より美しい像を我々に思い描かせる。
帰蝶が生きていた。
それが何よりも衝撃で、
何よりも嬉しくて。
その想いが伝わってきました。
あの物語とこの物語と、史実と…
色々なものが繋がって、
また想像を掻き立てる
素晴らしいお話でした!
(この感動を稚拙な言葉でしか伝えられず申し訳ありません…)
作者からの返信
そういえばあの女神像も腕はどうなっているのだろうといろいろな方がさまざまな想像を広げられて、美を追求されておりますね。
足りないからこそ、無いからこそ、あの女神像はあそこまで価値が高まったと言われれば、そうかもしれないと思うぐらいに。
最初は二畳の茶室を何で作ったのかというお話でしたが、書いているうちに、帰蝶が生きていたという設定が浮かんできました。
あの秀吉がそこまでして前代未聞の茶室を作らせた……となると、帰蝶が生きていたというのが「らしい」と思えたのです^^;
そういう想像をそこまで汲んでいただいて、作者冥利に尽きます。
そして帰蝶は過去の拙作のヒロインを演じていただいたので、そのあたりともリンクしたりしなかったり、そして史実とも……というのもまた、これまでいろいろと書いてきたことが積み重なっているのだなぁと、いただいたコメントを拝見して、感慨にふけりました。
何というか、結音さんの感動が、こちらにも伝わって来る、素晴らしいコメントで、こちらも感動いたしました!
ありがとうございました!
拝読致しました。
なるほど、敢えて未完成な茶室を用意することで、記憶が不完全な帰蝶さんの、失われた伴侶の余地を残しておいた。
そして想い出の茶室ごと、恩人としての帰蝶さんに譲り渡した、という解釈ですね(・∀・)
この秀吉さん……いや木綿さんは、人情味があって良いですね!
願わくば、山崎のお城とともに「人間らしさ」まで置いていかないことを……(^_^;)
2畳茶室とかけて想い人ととく、とても面白い物語をありがとうございました(・∀・)
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
ホントはエッジな茶室を作って、茶の湯の世界のニューリーダーはオレだ、みたいなことをしたかったんだと思います、秀吉。
しかしあの利休さんが一枚噛んでいるので、「不完全」、「未完成」であることに何か意味を持たせたら、設定を加えたら面白いかも……と思って、帰蝶さん生存説を採用しました^^;
木綿は木綿なりに、織田家臣時代の思い出を大事にしていた、ということで。
そしておっしゃるとおり、「織田家臣」としての自分との決別かもしれませんね^^;
だんだんと、ダークサイドに堕ちつつありましたし(笑)
お褒めいただき、恐縮です。
ありがとうございました!
「ストライクバック」のサイドストーリーとして、
或いは待庵を中心としたストーリとして、
様々な含みを持たせた作品でしたね。
つまり、秀吉はそこまで、宗易に期待していた、という事。
その期待に応えた宗易が、やがて内々の事を扱えるようになる…
そんな風に私は読んでみました。
作者からの返信
レビュー、ありがとうございます!
拙作の肝をえぐり出すようなレビューにドキリとしました。
秀吉の茶室製作の命令に、何故と悩み考え、おのれのうちに答えを見出す宗易のことを象徴するレビューに、感歎しました。
深い感謝です。
ここからはコメントへの返信です。
実はこの「待庵」を一番最初に書きました。
以前に利休の話で高評価をいただいたので、柳の下のどじょうを狙ったのです(笑)
そこから本能寺の話(前夜)を書いて、その本能寺から待庵へと至る、ストライクバックを書いたのです。
さてこの待庵製作、おっしゃるとおり、おそらく秀吉の宗易への「就職試験」だったと思います。
せっかく作った茶室なのに、秀吉は一回ぐらいしか入らず、さっさと大坂城とその茶室製作に向かいますし(史実)。
その大坂城の茶室を、宗易に作らせています。
……おっしゃるとおり、秀吉は、自分の命令を――無理難題を、宗易が120%の答えを出せるかどうかを見ていたと思います。
あたかも信長が秀吉にそういう命令を与えていたように……。
しかしその究極が「黄金の茶室」というのは皮肉としか言いようがありませんが^^;
ありがとうございました。
完結お疲れさまでした。
二畳の茶室からここまで話が膨らみますか。
この時期の秀吉に織田家への遠慮があったかというと関係者の処遇から疑問な気もしますが、帰蝶へは思うところがあったかもしてませんね。
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
おかげさまで完結いたしました。
実際は「この秀吉が茶の湯界のエッジを見せたる!」という試みだったと思うんです。
自分の新しい城(山崎城)に新しい茶室(待庵)を、という感じで。
でもそれだと小説的にアレなんで考えたのがこのお話です^^;
おっしゃるとおり、清須会議や賤ケ岳のあたりの、秀吉の織田家への姿勢は、「お飾り」扱いですね。
意図的に「実力者・秀吉」をアピールするために「お飾り」扱いだったとは思いますが……まあ、帰蝶さんは別格だった、ということで^^;
ありがとうございました。
ああ、二畳の不足分のもう二畳は信長用だったのですね。
よくこんなことを思いつかれましたね、秀吉、いやさ作者さま。
帰蝶が若い秀吉を可愛がり、秀吉も主の妻に懸想した。
そのことも、いままで考えたことがありませんでした。
楽しい想像の世界をありがとうございました。
作者からの返信
「足りない」ということに美を、意味を見出すのが、珠光以来のわび茶の流れなんじゃないかなぁ、と考えたのです。
で、秀吉が「足りない」とこの時思うのは……と^^;
拙作の秀吉は、主君の妻女に懸想というか尊敬というか、とにかく好意を抱いていたという設定です。
まあ、ねねへの気持ちが勝っていたのと、ねねがちゃんと秀吉を抑えていたという裏設定もありますが(笑)
……いずれにせよ、信長との決別であり、惜別をこの茶室に込めたのではないかと思いついたのです。
逆説的に、なら帰蝶こそがこの場に相応しいと思いまして、彼女が生きていたということにいたしました。
お楽しみいただけたようで、何よりです。
ありがとうございました!
めちゃくちゃ面白かったです!
内容や文章はもちろんですけど、なんていうんでしょうかね。史実という骨組みで縛りながら、その隙間を自由な発想で遊びながら埋めて行って、この絵どうよ?って見せる遊び方というんでしょうかね。そういうのがいいなあ、って思いました。
骨組みの所ががっしりしてるのに、遊んでるところが自由な感じでウキウキしちゃいますね!何回も言いますけど、めちゃくちゃ面白かったです!
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、こういう史実の隙間から、「絵」を作っていく感じで書いております。
骨組み……史実は崩せませんので、その隙間でいろいろとやれることを好きに描くところが好きなもので^^;
歴史ものって、歴史の二次創作なところがあると思いますので、そういう楽しみもあるんじゃないかと感じています。
お褒めいただき、恐縮です。
ありがとうございました!