3話 天才的なメイド
う〜〜む、さて、どうしたものか……
誰かにギルドマスターを代わって貰おうかな…普通に考えると副ギルドマスターになるんだけど。それかやめるのをやめてフツメンを雇って僕の心の平安を保つか。でもフツメンを採用する権限が何故かギルドマスターの僕にはないわけだし。
いや、一応アルバイトみたいな感じで清掃員みたいなのを一時期入れようとしたんだ、でもうちには掃除、洗濯、食事等の家事を完璧にこなせる完全超人なメイドがいるせいで雇っても3日と持たなかった。
「ご主人様、コーヒーをお入れしました」
長い回想していると、高い身長と引き締まった肉体を誇る茶色ロングのメイド服を着た美少女が僕の元にコーヒーを持ってきてくれた。
「あ、コーヒー入れてくれたの!フェルミありがとう……あ、あの〜これ……」
「ご安心下さい、いつも通りの量の砂糖とミルクを入れております」
「流石、フェルミ!」
このコーヒーを入れてくれたのは今言った超絶ハイスペックメイドことフェルミだ。
ズズ………う〜〜んやっぱり砂糖とミルクたっぷりにかぎるな〜、実は僕コーヒーの香りとか好きなんだけど苦くて苦手なんだよね。なんだったらカフェオレの方が好きなんだよ…
しかしな〜フェルミが入れてくれたコーヒーは美味いな〜香りがいいというか味わい深い? っていうのかな。一度自分でも試しにやってみたが何かが違うのかフェルミが入れてくれたコーヒーと全然違う味わいになった。
結構フェルミのコーヒーを好きで飲むんだよね。なによりコーヒーを飲んでるとできる男感が出るし。
「ご主人様、先ほどから考え込んでいる様子ですが、何か悩み事でもあるのでしょうか?」
キリッとした目で美少女が…フェルミが僕を見つめてくる
「う〜〜ん、悩み事って程じゃないんだよね……」
その悩み事の原因は君も一部あるけどね?
「悩み事があるならこのフェルミになんなりとお申し付けくださいすぐに処理いたしますので」
「心配いらないよ。その気持ちだけで十分だよ。いつもありがとうね。」
「そうですか…私はご主人様のために何でもいたします。それが私の存在意義ですから。」
フェルミは残念そうな様子であったが、何故か頬を赤らめていた。
フェルミは優しい子だ。なんたってブサイクな僕に優しくわらいかけてくれるし色々と奉仕してくれるからだ。
今は仮面を被っている為、ブサイクなことは隠されていたが、こんなブサイクにありがとうって言われて頬を赤らめる奴いる? いないよね、逆に吐き気を促しそうだよね。
――そうだ、折角だし聞いてみるか
「ねぇねぇフェルミ」
「はい、なんでしょうかご主人様?」
相変わらずのにこやかな笑顔で対応するフェルミ。その姿に安心した僕は素直に聞いてしまった。
「フェルミはもしも僕がギルドを抜けるって言ったらどうする?」
こんな感じで軽く聞いてみた。
まあ、フェルミのことだから止めてくれるか自分の好きなようにして下さいとか言ってくれるだろう。
視線をやると、先程のにこやかな表情のまま固まっていた。
「うん? フェルミ? どうしちゃったの?」
シーーーン
「おーい」
シーーーン
返事がないただのしかばねのようだ
「———ハッ! ご、ご主人様、それは本気でお考えですか?」
数秒間固まっていたフェルミの口がようやく開いた。しかしその声はいつもの優しい声ではなく、どこか焦ったような感じの声。
なんかとても悪い予感がするぞ。なんていうかこう…………答えを間違えたらとんでもないことが起きそうなそんな予感だ。
「ん、んー、たた例え話かな?」
雰囲気がヤバイそうなのでとりあえず誤魔化す。
「オホン、そうですか。もし、ご主人様がこのギルドを抜けるというならば私は……」
「うんうん」
「同じくギルドを抜けるか」
「うんうん」
「ご主人様について行くか」
「うんうん」
「死ぬかですね」
「うんう——うん?」
どういうこっちゃ?
◇◇◇
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