2話 仲間が美男美女すぎて困る
王都のとある一画にギルドで買った大きな屋敷がある。正直、ギルドの人員が少ないにも関わらず仲間からの強い希望でこんな無駄に大きな屋敷を買ってしまったし部屋があり過ぎて使ってないところが大半。というか、屋敷中に何があるかもマスターである僕が把握できていない………
そんな屋敷で僕が一番使っているリビングで椅子に腰掛けて、今朝の新聞を見てみる。
【号外 今大注目のギルド、『
まぁ、今朝物陰から聞いていたので大体内容は知っているんだけどね
「はぁ……」
また……また目立ってる。しかも今回も僕、クエストにすら参加してないんだけどなぁ……。目立ってるといえば、あいつらの方か。毎度の事ながら凄いな〜なんで僕なんかのところに居続けてくれるんだろう。
このギルドには僕以外美少女、美人、イケメンなハイスペックな人(一部バカ含む)しかいない。部屋の外でガヤガヤ聞こえるので何やら楽しそうに話しているのだろう。傍から見てもキラキラしててきっと学校のクラスでの一軍の人ってこんな人達の集まりなんだろうな〜ってつい考えてしまう。
――べ、別にこれは僕がハブられているわけではないからね? 1人が好きだから過ごしてるだけだから。ぼ、僕はギルドマスターだからこうして席でビシッと構えたほうがいいと思うからこうしているだけだから。
「はぁ……」
何回やったかは覚えていないがまたため息がでた。
正直今のギルドを見た時に僕って明らかに実力不足だと思う。実力的にも僕が下だしかろうじてギルドマスターをやらせてもらってるけども最近は簡単な書類仕事だけでクエストにもあまりでさせてもらえない始末……。
う〜〜ん、いつ皆に捨てられてもおかしくない状況であるにも関わらずこれが維持できるのが不思議でならない。
お金かな……いや、お金だったら皆クエストやダンジョン踏破して死ぬほどもらってるだろうし〜〜人望かな……イヤイヤないない一番僕が持ちあせてないものだしな〜。
どうしてこうなってしまったのか今の僕にはよくわからない。
僕の名前はアレン。
僕は実は前世の記憶がある……と言ってもそうな大層なものではなく平凡貧乏学生生活を過ごし超ブラック会社に転職、無理がたたってぽっくり逝ってしまった感じだ。
そんな僕は最初とある貴族の子として生まれた。親が貴族でラッキーって思ったのが最初だけで、前世が底辺低スペックサラリーマンだったのは変わらなかったので勉強や貴族のマナー? みたいなのが全く覚えられず年の離れた兄弟に刃が立たない。その上、15歳にスキル鑑定をしてみたら雑魚スキルしかなかったので、両親がブチギレて速攻で家を追い出された。あの時は流石に凹んだな…。
しかし、なにかお金を稼がないと飢え死にしちゃうわけで必死になって職を探したけど雑魚スキルのせいでどこにも全く相手にされず仕方がないから自分で作っちゃえ〜みたいな感じで作ったのが今のギルドである。
この異世界ではみんなどこかのギルドに入ることが常識になっている。商人ギルド、冒険者ギルド、鍛冶ギルド様々である。
とはいってもギルドの人数は決まっていないし、100人以上の巨大な戦力を揃えるギルドもあれば、1人でギルドを立ち上げ活動する者もいる。
僕が作ったギルド、『
え?まさかの顔採用してるんじゃないかって?
いやいや。このギルド、昔は誰でもOKだったんだけど、最近はギルドの全員に認められないと入団出来ないという新しい謎ルールが出来たんだよ。おかげでここ数年、新規入団者はいない。ちなみに僕は全然イケメンでもなんでもないよ。フツメンというか下の中というか…………。
王都に名を連ねる有名なギルドの殆どが100人を超えることを考えたら有名な割に意外と人数少ない?
フツメンなモブっぽい自分がいやでそこら辺の露店で買ったかっこいい感じの仮面で普段は顔を隠している。なので、僕の素顔を知っているのは今のギルドメンバーにはおらず新人時代にお世話になった冒険者が数人だけだ。
これじゃあ僕と同じ不細工を入れられないじゃないか。ここでブサイクとは言わないまでもフツメンなヤツを入れて僕の心を平穏に保たなければ…。ブサイク1人いるだけでも全然違うと思うんだよな…。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
2話少し直して再投稿しました
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