【改正版】クソ雑魚ナメクジなワイ何故か最強ギルドのマスターになっていた…………いや、なんで!?
リト
1話 最強ギルドの最弱マスター
世の中ほんと何が起こるかわからないものである。
「号外!号外〜〜!またあのギルドが未踏破のダンジョンをクリアだ!」
朝のまだ早い頃、新聞配達の青年が大声を出しながら歩き回っている。
「むむ! これはマズイ」
気分転換がてら買い物に出ていると町の人達が騒いでいたので嫌な予感がして慌てて近くの建物の陰に隠れた。
「マジで!もう今年に入って何個目?!全然勢いが落ちないね」
「まぁ!またあのギルド〜!すごいわね〜発足からわずか数年でよくここまでいけるものだわ」
「またやったの!すご〜い!ねぇねぇ、僕大きくなったらこのギルドに入りた〜い」
「ほぉほぉほぉ〜、このギルドいるおかげで王都は安泰じゃの〜」
そんな町の人達の会話を聞いて僕は悶えていた。
――いやいや、こっちはそれでほんと迷惑してるんだよ。ちょっと言っただけでまさかここまでくるなんて思わなかったんだよ
多くの市民がその新聞を見て驚愕し歓喜している。皆が驚いて理由も分からないでもない、ダンジョンが踏破されるなんて100年に一回あるかないかかぐらい珍しい事だ。それがここ数年で立て続けに踏破されているのである、ある意味で異常事態だ。
「確かにね、メンバーの戦力もさることながらきっとギルドマスターがものすごい人なのかもね〜」
「かのギルドがここ数年でやったことは伝説になってもおかしくないことだ。きっとこのメンバーをまとめ上げる人は余っ程凄い人格者なのかもね」
「僕ね〜ギルドマスターにあってみたい〜!!」
ギルドをひとしきり話題にした後、次はギルドマスターの話にうつる。もう皆、こんな偉業をやるギルドのマスターはさぞすごい人なんだろうとワイワイ騒いで喜んでいる。
――はい、そのギルドマスターは現在物陰に隠れている陰キャなワイなんが……
いやいや、そんなすごくないよ、ぶっちゃけ一番驚いてるのはむしろ僕の方、メンバーと比べると天と地ほどの差だしスキルだってそんな自慢できるものでもないし……
「はぁ〜まただ、これじゃ落着いて買い物もろくにできないよ…」
何しても全然ダメダメで仕方無しに始めたギルドがここまで大きくなるなんてあの頃の僕なら夢にも思わなかった。精々日々の生活費だけ稼げればいいやと思ってたのに予想を大きく越えてしまった…
恐らくこの町の人達はこのギルドの連日の快挙に胸を踊らせているのであろう
僕がいなくてもみんな強いし、現にリーダーだけどあんまり仕事してないし。僕は空気みたいなもんなんだよね。目立ちたくないし……ギルドマスター辞めようかな〜
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