現実と非情
「来たぞ新天地、今日からここが俺たちのフィールドだ。」
龍冶(主人公)は校門の前で叫んだ。
「おい、周りの目がめちゃくちゃ痛いぞ。」
春(中学時代の副部長)が注意していた。
「行くか、春休みの先行部活。」
「そうだな俺ら最後っぽいからな。バスから降りてサッカー場に行くはずだったのをわざわざ校門前に来ていうか。」
「だって気持ちいぞ叫ぶの。」
「周りを気にしろよ馬鹿野郎が。ホントに部長としてまとめられてたのが奇跡だよな。お前は。」
そういうと二人はサッカー場のほうに走っていった。
大人の人が三人と部員が20人ほど。
「これで一年生は全員か。」
「はい間違いなさそうです。」
「それではこれから先行の部活動を行う。中学校と比べて厳しいだろうが、耐え抜いてくれよ。
それではランニングから始めよう。タイムを計る。これで、1500mを7分以内に走り切れ。できなければ今日のトレーニングは1.5倍にしておく。
それでははじめ。」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
6分後
__________
「ぼちぼち走り切ったやつがいるな。高校生の平均は6分15秒程度だから、いい感じってところか。」
「それでは全員に1~4までの番号が振られたくじを引いてもらう。それから5VS5の試合をミニコートで行ってもらう。全員の技術、思考・判断力を見ていく。試合形式は総当たり、時間は20分。」
龍治が引いたのは4だった。
「なあ、春お前何番、俺4番だけど。」
「まだ引いてねえよ。俺の番だ行ってくる。」
「引いて気だぜ。お前とは違ったよ。3番お前とは違った。」
「おうお前ら探したぞ。」
そういって声をかけてきたのは同じ中学のキーパーだった夏音だった。
「お前ら何番だった。俺は4番だったぞ。」
「春が3番、俺はお前と同じ4番だ。」
「じゃあこれからくじで引いた番号で集まってミーディングお行ってくれ。作戦会議でも、自己紹介でも好きに使ってくれ。めちゃくちゃでかい声は使うなよ、いちよう今日、普通科の英検だからな。」
「そんな日に初日練を入れんな。」
龍治はそう小声で言った。
「これから4班の作戦会議をする。みんな中学時代の役職を教えてくれ。」
「わかった。僕から行くよ。僕は克、中学時代の役職はDFだった。そこまでパッとした戦績はないけどよろしく。」
「俺行くか。俺は龍治、中学時代はMF。よろしく。」
「俺は恵太。FWだ、よろしく。全国大会優勝だよ」
「僕は進。ポジションはFWだ。」
「最後は俺、GKだった夏音」
「結構バランスはいいから恵太、進で攻めを、俺、龍治、克で守るこれでいい。龍治は俺がいつもの合図を出すから、その時になったら攻めてもいい。」
「わかった」
「あれ二人は同じ中学なの。」
「ああそうだよ。全国まであとちょっとだったんだけど。そこの人のチームに負けちゃってね。」
「安心してほしい。正々堂々と戦った。あれ以上すがすがしい敗北はないだろうな。
それじゃスタートみたいだしコートに行こう。」
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試合開始
__________
「ホイッスルが鳴ったぞ。まずは全員で守りに入れ。」
GKの夏音は後半型の司令塔だった。前半で相手を観察ハーフタイムに解析し全員に伝える。その後は決まった指示で全員を率いる。この正確さはかなりのものだった。それを知っていた龍治はその指示に従った。
10分が来た。全員に覚えてもらった指示を出す。全員それを見て即座に攻めの姿勢をとる。2人が守り3人が攻める特に前線の2人は鋭い洗練された技術で翻弄する__もつかの間
3のチームには全国優勝校の得点王聡がいた。
その聡が動きさした。
「夏音早めに指示を出してくれ。」
「わかってるけど、こいつまだ何かを隠してるんじゃないか。今のところはこうだ。」
「わかった、克も攻めてくれってことか。前方を全員で守りとれる確率を上げるのか。」
全員で前に出る。克がとってくれた。その後パス専の龍治にわたる。その後夏音にわたり、恵太にわたりシュートが決まった。この一点を大事にしよう。
「全員ディフェンス編成だ。あとは無理なく点が取れたら。」
こうサインが出た。うなずくと、全員中間に走り、2人前、2人後ろで3分固める。何とか勝てた。
次回に続く【多分】
実像の脚跡 桜最中 @arekutoru
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