第47話 デート?2
僕とビアンカとカトリーヌは徒歩で皇都の街の中心街に向かっている。
ただし、ルーク、アビー、マーガレット、セレナというおじゃま虫も一緒だ。
いやいや、女性陣はヒロインたちですのでおじゃま虫ではございませんね。
おじゃま虫は旧主人公のルークだけでした。
正直主人公は2人もいらんでしょう!?
いや、僕も主人公に立候補したいので3人!?どんなクソゲーだよ。と。
でも良いやつなんだよねルークww
「・・・・遠いね。中心街」
僕とのデートでワクワクウキウキであるはずのビアンカがそう呟く。
そう、魔法学園は皇都の端の端にあり中心部から離れているのだ。
一番近い中心街である花街までで約6kmなので歩くと1時間以上かかる計算になる。
途中で寄ろうと思っているマーガレットの仕立て屋さんは花街の西側。大劇場の裏手くらい?と聞いた。
そこからはルークの希望もあって皇都の商業区画に向かう予定にはなっている。
ロンドアダマス城(皇城)の南側(ロードライズ川側)なのでさらに2km-3kmは歩くだろうから、トータルで1時間半〜2時間は歩かなければならない。
遠いな・・・。
だけど皆んなで歩けば怖くない。7人もいるので話が弾む。
「昨日の基礎魔法学の授業ってみんなわかったー?」
アビーが声をあげて皆んなに尋ねる。
「難しい・・・。ノートにとったから後で復習するけど奥が深いことはわかったよ」
マーガレットには難しい授業だったようだ。
「俺にもさっぱりだ。そもそもルーン文字以前に皇国の文字の読み書きすらあやしいぜ」
威張ることではない。ルークは剣技や魔法の才能はピカイチのはずなのに頭は今ひとつなのだろうか?
「僕は楽しかったよ。ルーン文字がどうやって刻まれているのか?そのルールが興味深かったし。
刻印されているルーン文字について知れて凄く楽しいよ。」
僕は正直な感想を述べる。 魔法たのしー!のだ。
「今の魔法具ってほとんどは古代から伝わった魔法具を真似て作ってるんだ。
魔法具に刻まれているルーン文字とそれを取り囲む記号や線にはすべて意味がある。その意味は古代から伝わる魔法具を研究していくことで今のように体系化できたんだよね。」
僕は楽しいので思わずウンチクを語りだす。
「ルーン文字の意味も・・・例えば「火」のルーン。
「火」のルーンだけだと何も起きないけど、そこに「集」「出」のルーンを組み合わせると初めて火の魔法を使えるようになる。
だから最初は「火」のルーンがどのルーン文字かはわからなかったはずなんだ。
授業では「火」「集」「出」って名前をルーン文字に名付けていいるけど、それは他の多くの魔法具をと比べてみて、その文字の関係性を調べるとどうやらこれが「火」を表すのではないか?とか「集」のルーンは集める力を持つのではないか?とか、「出」は集めた力を出現させる力を持つのではないか?とか。
そうやって古代の魔法のルールを解明してきたんだよ。
だけど、全てが解明されたわけではない。「集」のルーンの意味を取り違えている可能性だってあるし、知られていないルーンもあると思うよ。」
「お前なんか学者みたいだな」
ルークがカイトに突っ込む。
「カイト様 独りよがりの長い説明は他の方の迷惑になります。お控えください」
スミマセン・・・。
「カイトつまんないー」
ビアンカがカイトの袖をひっぱり苦情を言う。
「じゃあさ!お姉ちゃんが面白い話してあげよっか?」
マーガレットがビアンカの手を引っ張りカイトから引き離す。
「うん。面白い話聞きたいな。」
「よし、お姉さんにまかせとけ。じゃあねえ・・・・」
マーガレットが何か面白い話をしてくれるらしい。
ごめんね僕がつまらなくて。
「むかーし、むかーしある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは芝刈りに。おばあさんは・・・・」
なんか昔話し始めたので、セレナと話そう。
「セレナ疲れてない?」
左手がビアンカから解放された僕はセレナの隣にいく。
「うん。平気。 カイトくんすごいね。感心したよ」
「セレナが貸してくれた魔法学のノートのお陰かも。とても役立ったよ。」
「汚い字でごめんね」
「そんなことないよ。僕なんかよりめちゃくちゃ綺麗だった。僕なんてまだ綴りの間違がいっぱいあるから」
「2ヶ月も後に入学したのに、もう私より魔法の深いところを考えているんだから尊敬しちゃうよ」
「はははっ 僕は魔法の才能だけはあるみたいだから、これから色々試したいんだ」
「カイトくんは凄いよね「火」と「水」と、、「動」? も使えるんだっけ?3属性なんてゲイルくん並みの天才だね!」
「ふふふ。基本5属性全部使えるんだぞ ふふふ。」
声を小さめにしてセレナに語る。
「えっ、ええええーーー!!5属性全部!!!!!」
大音量でセレナが驚きの声を上げた。
「セレナ!どう言うこと?!!」
早速アビーが横に来て詰め寄る。
「あわあわ」
セレナは慌てている。
「誰が5属性全部つかえるんだって?」
アビーは今度は僕に詰め寄る。
「えーーと誰だったっけなぁ・・」
これは大騒ぎになると知って慌ててとぼけてみる。
「おいおい!5属性全部使える奴がこの学園にいるのか?!」
ルークまでやってきた。
「お婆さんが川で洗濯をしていると、上流の方からどんぶらこ、どんぶらこと・・・・・・・」
マーガレットはビアンカへのお話で夢中だった。
「で、誰が5属性つかえるのかな?」
アビーの顔が近いんですけど・・・。
「ここだけの話だよ」
仕方がないので僕は小声でそう応える。
「うんうん」
アビーとルークの顔が迫ってくる。
「うちの学園長先生・・・・」(小声)
「それは無いな。」
「学園長の属性は水・雷・動の基本3属性を高度に扱える皇国の誇る天才魔法使いって話はみんな知ってるけど、5属性なんて話は聞いたことがないよ。」
ルークとアビーが睨んでくる。
「ですよね〜〜〜」(小声)
「それで???」
アビーとルークの顔がさらに近くなる。。
「僕・・かな?」(小声)
「無い無い」冗談は許さないと2人して睨みつけてくる。
「本当・・・・」(小声)
「えっ??? ええええええええーーーーーー!!!!!!!!!」
ルークとアビーは仲良く声を合わせて叫ぶ。
「お爺さん!お婆さん! 僕は悪いオーク達を懲らしめに行ってきます。そう言ってワニ太郎は旅立ちました。」
マーガレットは童話をビアンカに聴かせるのに夢中だった。
「うんうん! ワニ太郎がんばれ!」
物語を聞くビアンカは目をキラキラと輝かせていた。
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