第45話 デート?

随分学園生活にも慣れてきたので、約束通り学園の休日にビアンカとお出かけをすることになった。


しかしだね、何故かビアンカとお出かけの約束した後、その話がクラスメイトに伝わって、アビー、ルーク、マーガレット、セレナまで参加することになってしまったのだ。


誰がいいふらしたんだー!!犯人はわかってるけど。。


乗り合い馬車が到着し、ゾロゾロと児童寮の前に集合するクラスメイト達。


「おーカイト!今日はドレイン方伯様のご子息が奢ってくれるって聞いたぞ。」


そんな事一言も言ってない。


「カイトおはよう。ルークがバカな事言ってるけど許してね。

愛人とのデートを邪魔しちゃったかしら?」


ルークとアビーがセットで現れた。


愛人とはいったいどこの誰の事かな??

・・そもそも誰がそんな情報を流したのかな??


「カイトおはよう。新しい美女を紹介してくれるんだって?」


マーガレットが現れた。

美女?カトリーヌの事かな?先日会ったよね?


「カイト君おはようございます。今日は誘ってくれてありがとう。」


セレナが現れた。

僕は誘った覚えがないのだけど。


「カイト様お待たせいたしました。少々着付けに時間がかかりましたので・・」


カトリーヌが現れた。

元凶は君かな??いや君しかいないよね?


「カイト〜〜!デート楽しみだね!!」


ビアンカが現れた。


ビアンカはそのまま駆け寄って僕に抱きついてくる。ビアンカだけが僕の心を穏やかにしてくれる。


「ビアンカ、素敵な服だね とても似合ってる。綺麗だよ。」


ビアンカが貴族のような清楚な服を着ていたので、思わずキザなセリフを口にだしてしまった。


「フフフッ 褒められちゃった。カイト大好き」


「カイト様、他人が見ております。ハレンチな言葉はお控えください」


いやいや、褒めるだけでしょー??


「確かに美女だね。妖艶な美女だよ。ビアンカちゃんだっけ?お姉ちゃんといいことしようね。」


マーガレットがニヤリと笑みを浮かべる。


「カ、カイト!まさか侍女と・・・で・できちゃったのか??

こんな可愛い子供作るなんて!手が早すぎるぞ!?!」


「まてまて!幾つの時の子なんだよ。ビアンカは僕の子じゃないからね!」


ここは全否定しておかないとどんな事を言いふらされるかわかったもんじゃない。


「そう。ビアンカはパパの子。カイトの子じゃないよ。」


「うんうん」


「カイトはビアンカのあいじん」


また話をややこしくし始めた。


「そっちか!!!!????」


ルークが驚いて俺の方を見る。


「あのドレイン家の血は侮れないわね。」

「妖艶な美少女に抱きつかれたら仕方がないわよね〜」

「カイトさん。そんな人だと思ってませんでした」


「皆様!大変申し訳ありません。カイト様はあのドレイン家なので、そういうご趣味をお持ちです。

もし気持ち悪いと感じましたら無理にお付き合いいただく必要はございませんので」


「愛人じゃないからーーー!!」


思わずカトリーヌの頭にコツンとゲンコツを入れる。


「申し訳ございません。出過ぎた真似をしてしまいました。この事は秘密でしたでしょうか?」(小声)


「秘密じゃなくて誤解!! ビアンカは僕の剣の師匠の娘。

師匠に娘を守って欲しいと頼まれたんだからね。ほ・ご・しゃ・だよ!保護者」


一同ほっとした顔をする。


「じゃあ手を出したわけでは・・・」


アビーが恐る恐る聞く。


「もう。出すわけないだろ。師匠の大事な娘さんなんだから。」


「幼女趣味は・・・」


セレスが恐る恐る聞く。


「ない!」


「ビアンカは幼女じゃないもん。大人だもん。カイトは大好きなあいじん。渡さないからね」


「可愛い〜〜〜!!!! 可愛くて妖艶すぎるよこの子。私はマーガレットよ。ビアンカちゃん仲良くしようね〜〜」


「カイト取らない??」


「取らないから仲良くしよ〜〜〜。お姉ちゃんが素敵なお洋服作ってあげるよ」


「素敵なお洋服・・・・・・する。

仲良くする!マーガレットよろしくね。」


キラリンとビアンカの目が光り、途端にニコニコとする。

現金なやつめ。


「俺はルークだ。美人の侍女さんもビアンカもよろしくな」


「び、美人だなんて。。申し遅れました。カイト様の侍女をしていますカトリーヌです。」


人の侍女を口説くなよ?


「さっ!じゃ行こうよ!カイト!馬車はどこなの?」


アビーが仕切り始める。


「えっ、馬車なんてないよ。寮生活では使わないから方伯家に戻したから」


「えー。ドレイン家の豪華な馬車を期待したのにー。」

「ごめん・・・。」


「仕方がないわね乗合馬車でいきましょう。と言いたいところだけどさっき出たところだわ」

「うわ1時間こないな」

「カイト様、授業がない日は2時間ほどこないかと」

「えっそうなの?」

授業がある日は1時間に1本ほど走っているんだけどなあ。


「カイトが豪華な馬車を用意してると思ったから、待ってもらわなかったのよ。」


日本みたいに時間に縛られてない乗り合い馬車は結構融通が利くのだ。先に説明しておけば待っててくれたはずなんだよな・・・。


「みんなごめんよ。。」

しょぼんとする僕


「ビアンカは歩きでいいよ。カイトとデートだし。歩くのも楽しみだよ!」


「俺もいいぞ。歩くのは慣れてるしな。」


「じゃあ歩いていくか!!!」「オーーー!!(僕とビアンカとルーク)」


こうやって大人のデート?が始まる・・・。



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