第35話 初めての魔法学

魔法学園の授業は朝のホームルームに始まり、5限の選択科目で終わる。


一年生の1日の授業スケジュールはだいたいこんな感じだ。

8:40- 9:00 ホームルーム

9:00- 10:20 一限目 一般必須

10:30- 11:50 二限目 一般必須 / 剣術

11:50- 13:00 昼食/自由時間

13:00- 13:20 三限目 一般必須

13:30- 14:50 四限目 属性魔法実習 / 魔法学必須

15:00- 16:20 五限目 選択科目


一般必修科目 読み書き(1年の2ヶ月)国語(文学)、歴史、地理、産業、計算学、皇国法、真聖教論、領地経営学(2年から)、外国情勢(3年のみ)用兵学(3年のみ)


属性魔法実習は基本属性魔法、火、水、風、雷、動、の教室があり必ずどれかを受講しなければならない。(A/Bクラス合同)


5限目選択科目は本当に自由だ。

上記の属性魔法実習や、基本属性とは別の特別魔法実習も受けられ、武術(剣術、弓術、槍術、馬術、騎兵術)も選択できる。

もちろん希望が通れば一般科目だって復習として受講できる。


また、毎日受ける科目や魔法実習を変更することもできるが、ただし、準備や講師の調整の関係から受講する日の前日までに変更後の受講スケジュールを担任教師に相談しなければならないと言う決まりがある。


ロビン先生と相談した結果、まずは属性魔法実習は「火」 選択科目は「水」の魔法にして、10日後には別の科目にすることも相談中だ。


**********


さて、これから四限目の魔法学(基礎魔法講義)が始まる。


今日の基礎魔法講義は担任のロビン先生が行ってくれるそうだ。内容によっては講師が変わる場合があるらしい。


授業内容はルーン文字の配列と素材(宝石)の話だった。

この基礎魔法講義は既に1ヶ月ほど進んでいた授業だったので、ルーン文字の基礎講義は既に終わったそうな。


ルーン文字・・。一番聞きたい授業なのに・・。


誰かに後でノートを借りなければならないだろう。試験に落ちたら補習でみっちり絞られるらしいし。最悪留年なんてのもあるらしい。留年は洒落にならない!


さて授業内容だが、

ルーン文字を正しく刻めば宝石でなくとも石ころ、紙でも魔法が発動する(可能性がある)というのは驚いた。しかしよく考えれば魔法陣などはまさにそれだろう。


ただしこの刻んだルーン文字の配列には力の方向ががあり、その方向にしか発動しない。なので通常はルーンが刻まれた宝石を杖などに埋め込んで発現する方向を指し示しやすくしているわけだ。


と、いうことは?別に杖につける必要はないという事にもなる・・・。


剣につけても・・・いや。先端につける必要があるので剣はまずいかな?

剣はだめでもペンとかでもいいはずだ。○リーポッターのような小さな杖でもいい。


宝石とのバランスが悪い?たくさん持つなら軽い方が良いのでは?とか思ってしまう。

結局複数の魔法を使える人があまりいないので、今の使いやすい長めの杖が主流になったんだろう。


とりあえず、素材にルーン文字を正しく刻むと言うのが最重要で、その素材はルーン文字の力に反応しやすいものと反応しにくいものがあると言う事だ。


刻む素材によって発現する力が強くなったり弱くなったりするから素材選びも重要。

メモメモ。


通常、魔法の発現にはルーン文字を複数刻むので相性のバランスが大事になってくる。複数の文字列なのでその相性も単純では無い。

試行錯誤の末に今の魔道具に使われる宝石に行き着いたのだろう。


ロビン先生が黒板にルーン文字を書き始めた。

僕は初めて見るルーン文字に目を輝かせる。


黒板に書かれたルーン文字は少し書き殴った感じもするので、これが本当に正しいルーン文字なのかはわからないが、必死にペンにインクを足しつつノートに書き留めていく。


ロビン先生は黒板にルーン文字を3つ、トライアングル(三角形)になるように書くと、その周りを円で囲んでさらに何やら細かな記号のようなものを書き込んでいく。


円も楕円で歪んでいるし記号も雑いが、黒板に書いているのでこんなものだろう。


そして黒板にちょっとした魔法陣が出来上がる。

ロビン先生からそれが水を出すためのルーン文字の配列だと言う説明があったが、記号や円の意味などの説明はない。それは次回ということであろうか?


この黒板に書かれていたルーン文字の魔法陣をノートに書き写していてふと思った。


確かにアルフレッドさんが言ってたようにルーン文字は漢字に似ているかもしれない。しかし僕の知る漢字ではない。漢字ほど洗練されてはいないので昔の象形文字に近いかもしれないなと。


強いて言うならこれが「水」を表しているのかな?と言う文字があった。

あとで先生に聞くか・・図書館に通い詰めてもっと知りたい。そう思った。



次回の講義は「ルーン文字の刻み方の実例とその意味その1」楽しみ楽しみ!


その次は宝石の大きさやカットの品質の良し悪しについてどう発現する魔法に影響するのかを教えてくれるらしい。

これは面白い。僕も魔道具作れるようになるかもしれない!?


さて次は選択科目の魔法の実習だ!



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