驟雨にも君の背中はせいせいと

※しゅううにも きみのせなかは せいせいと


雨だ。


走れば、その辺の店に入れるかな。

書類はカバンの中。


よし。


急いでダッシュ。すれ違う人にはぶつからないように。


……あ。


雨なんてものともせずに、歩く、きれいな人。


もしかしたら。


いや、きっと。


若い頃に、別れたあの子。

俺が、浮気をして。


……あんなに清々としているなんて。


それに比べて、俺は?


精々、ちゃんと働かないとな。



※驟雨は、にわか雨、夕立のことです。


せいせい、には清々、と 精々を掛けております。


過去の人は、前を向いていて、美しくて。


もう「君」と呼べる関係ではないのですが、驟雨の間だけは、許してあげて下さい。




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