第15話

ゼノ「ここは…」

「やっと起きたかい?いい男が気絶なんてね」

ゼノ「おばさ…お姉さんはどちら様?」一瞬殺気を感じた。

「ここは東京本部の治療室。ずいぶんとやられちゃったようだね。ゼノくん」

ゼノ「どうして名前を…」

「あら?知らないの?あんたたちの目には機械が仕込まれているのよ。それを見ればどこで生まれたのか、どういう人間なのか全てデータベースに載っているの」

ゼノ「個人情報は保護されてないのか」

「君たちは人であり、人でないからね」

ゼノ「個人ではないと」

「そうなるのかね。私に文句言わないでくれよ。上の人間どもが始めたんだからな」

ゼノ「それでレインとベイカーは…」

「ああ、そこたちならもう外出ちゃったよ。今ここにいるのはゼノくんだけ」

ゼノ「全く、待っててくれなかったのかよ」

「そりゃ1日まるまる眠っていたらねぇ」

ゼノ「1日!?」

「それじゃ元気になったら出てくれるかい?やっと私も休める」

ゼノ「すまないな」

「これから来なきゃ問題ないよ」

ゼノ「二人がどこに行ったのか知っているか?」

「さぁ?助けてもらったからとか言ってたけど」

ゼノ「拳岩のグロー…か」

「グローなら今どき食堂じゃないかねぇ」

ゼノ「わかった、世話になった」

「そうだねぇ、もう来るんじゃないよ」

ゼノ「あんまり来たくはないな」

ゼノ「俺たちの支部の10倍以上か…ここがどのへんかわからねぇ」

「ねぇ、きみ、だれ?」

ゼノ「あ、君はここの人?外から来たんだけど」

「そう、うち、ここ、ひと」

ゼノ「食堂はどこにある?」

「おし、える、きて」

ゼノ「ああ、ありがとう」

言葉が途切れ途切れで聞きづらい女の子の後ろについていく。

それにしてもこんな小さい子まで兵器なのか…。

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