トラウマの真実(7/8)
淡々と語る奴は、だんだん怒った口調になっていった。
「俺の父親は政治家だった。君の父親に取材され、拡散され、自殺した。だから俺は君の父親を恨んだ。許せなかった。どうにかして僕の手で制裁を加えたかった。僕はこれから少年院に行くことだろう。じゃあな。自首してくるから。息子の君を殺めるのは我慢したから、もう一生その面みせるな」
そう言って、奴らは近くの交番に向かった。
その場で倒れこんだ僕は何もできなかった。息苦しいまま、瞼を閉じた。雨の音が聞こえてくる公園で、僕は気を失った。
「どうした? 大丈夫?」
その声にはっとして、目を覚ます。お母さんの声だと一瞬で理解する。
重い瞼を持ち上げ、視界を広げる。そこには予想通り、お母さんがいた。
「お父……さんが……」
変わらず息苦しい僕は声を振り絞って伝える。
「分かってる。状況は把握してるよ。こんなに苦しい思いをしてるのに見つけられなくてごめんね」
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