小説に書き綴ったトラウマ(10/10)
「……」
黙ってしまった。やっぱり何か目的があって、僕に接してきているということが分かった。
「……別にー? 君と仲良くしたいから関わってるだけだよー?」
声のトーンが下がったように聞こえたのは気のせいだろうか。まあ、質問に対する答えではないので問い詰めることにする。
「僕はその態度について訊いている。関わってきている理由は訊いていない」
「……こ、この態度が普通だよー? ちょっと変って言われてきたけど、特性だから仕方ないんだよねー」
「去年まではそんなんじゃないと目撃情報がある。いい加減嘘はやめろ」
「じゃあねー、交換条件はどー? 答えるからさー、君の父親に会わせてよ」
最後の一言だけ喋り方が強かった。僕の父親? やっぱりそれ関係だったか。ただ、会わせるのはいいけど、目的が何なのかが掴めない。
「いいけど、なんで?」
「それはねー? ヒ・ミ・ツ♡」
さっき強い言葉を放った人には思えないような態度だ。率直に言う。キモイ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます