小説に書き綴ったトラウマ(7/10)

 翌日、僕は早めに学校に行くと、昨日僕に固執してきた人ではない人に話しかけられた。

「大丈夫なの?」と、優しく声をかけてくれた。恐らく昨日の様子を見て、何も言えずにいられなかったんだろう。

 少しその人と話していると、去年も固執してきた人と同じクラスだったらしい彼は、色々教えてくれた。あの様子は去年からのものではなく、僕に初めて見せた様子だったらしい。

 だからみんな不思議がっていたんだろうけど。


 数分後、教室にそいつがやってきた。

 荷物を下ろすと、すぐに僕に近づいてきた。僕は身構えて待っていると、そいつは昨日のように接してきた。僕は怖くなった。

 そして思考を巡らせた。その果てに、僕は一つの結論を導いた。


 もしかしたらこの人は――僕の秘密を知っているのかもしれない。

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