小説に書き綴ったトラウマ(2/10)

 僕だって知らないことはすぐ調べるようにしている。

 そんなことを考えていると、クラスの話したことのない人たち、六人くらいが集団で寄ってきた。

「川本くん」

 威圧をかけるような言い方で、僕の視界を満たした。嫌な予感がした。言い方が、既視感のあるような。

 僕は自分の周りに見えないシールドを何枚か配置した。

「なんだ?」

「ゲームを作ってるんだよな。小説も書いてるんだよな」

「そ、そうですけど」

「やらせて」

「すみませんが、有料で販売しているものなのでそう簡単にはやらせません」

「新多と漣らにやらせてやったのに? 俺らはダメなのか。何故、説明しろ」

「説明する意義はありませんし、初対面でそういう態度を取られたらさらにそう思います」

 自分のシールドを破られないように慎重に断った。

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