「好きな教科は数学です。テストでは毎回100点を取っていました」

　みんなから「おぉー！」と歓声が上がった。まあ、僕の得意教科だし。

「入ろうと思っている部活はテニス部です」

　自己紹介何ていうか考えてたからあまり気にしてなかったけど、普通にみんなからの視線が怖いと思った。変なこと言わないようにしよう。特に次は一番危険だからな。

「好きなことはゲーム……を作ったり、小説……を書いたりすることです」

　みんなから「ゲーム作れんのか」「小説書けるとか才能だな」「今度遊ばせて―」「読んでみたい」とか言う声が聞こえた。

　僕は安心した。一番スベりやすく、心が傷つきやすいことを話さないといけないからな。

「みんなと仲良くしたいので、気楽に話しかけてください。よろしくお願いします！」

　そういい終わったのち、僕は席に座った。続いて後ろの人が自己紹介をしていたが、僕の耳にはほとんど入ってきていなかった。みんなと仲良くしたいなんて、本当に僕は思っているのだろうか。そう考えても答えは返ってこない。僕は後ろの人の自己紹介に耳を傾けた。

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