「よろしくお願いします」

「そんな固くなんなくていいって。仲良くしてね。よろしく」

「うん」

　新学期となりクラス替えが行われ、隣になった人と会話した。優しく気さくに話しかけてくれたことに安心した。僕はこの一年間この人とかと一緒に学校生活を送るのだろうな。そんなことを考えていると教室の前の扉が開いた。

「こんにちは！　このクラスの担任になりました、神送渡（かみおくりわたる）といいます。一年間よろしくお願いします」

　第一印象はちゃんとしてるけど、ちょっと抜けてるところがあるような先生だなと思った。（本当は知らないけど）

　クラスの全員が自己紹介をする流れになったので、とりあえずみんなの自己紹介を聞いた。そろそろ僕の番が来そうだ。みんなテンションが違う人が多くて、個性豊かなクラスだなーとか考えてたら、僕の番が来てしまった。皆からの視線に怯えつつ、僕は自己紹介を始めた。

「川本旭（かわもとあさひ）です」

　僕はとても緊張したが、一言目を喋ってしまえばできる気がした。僕はそのまま続けた。

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