第6話 ストラホフ修道院とミクラーシュ教会
トラムを乗り継ぎ、辿り着いたのはストラホフ修道院。十二世紀に建てられたこの修道院の中には、世界一美しいとも云われる図書館がある。残念
図書室には勿体ないほどの、贅沢に天井を埋め尽くすフレスコ画。そのキリストや聖人たちの見守る下界に視線を移せば、二階分ほどの高さの書棚に無数の蔵書が収まっている。
隣の、かつて本館であったろう回廊状の建物には、修道院の蒐集品や遺物が展示されている。
修道院なら厳粛な宗教画ばかりが
修道院を出、歩いて丘を下ると、聖ミクラーシュ教会が見えてくる。その優雅な姿はプラハのバロック建築中の名品とされるに相応しい。堂内に入ると聖人像群が我々を見下ろして出迎え、その頭上ではフレスコ画がイェスと聖母の行跡を
豪奢なパイプオルガンは、モーツァルトの手で奏でられたこともあるそうだ。ウィーンでは必ずしも相応しい評価を得られなかった天才を、プラハ市民はたびたび招いて歓迎した。当時も今も、プラハの街には音楽が融け込んでいて、毎夜教会や音楽堂でコンサートが開かれている。音楽家が生計を立てるのには好適の地と云えよう。
なお、チェコ語でミクラーシュとは聖ニコラスのことで、サンタクロースのモデルともなったこの聖人はチェコでも勿論敬愛されているのだが、実は子供たちには
その行事を想い起こしたうえで改めて目を上げると、我々を見下ろす聖ミクラーシュ像が
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