第13話 蠢き

 そして現代


「陛下、『破滅の魔女』の居場所がわかりました」

「……! それは本当か⁉︎」


 篝火に照らされた暗い一室、豪奢なベッドに腰をかけて、寝巻き姿で家臣を見やる


 その視線を浴びて、家臣が不敵に笑う。首肯をすると、手元の地図を渡した。王が受け取り、印のついたその場所を確認する。


「……背教者達レネゲイズか……」


 背教者達の巣食う村、レネゲイズ。王国の僻地にあるその村は、王国ではるか以前から信じられてきた教えに反発し、王都を追い出された一団。


 以前から処分には頭を悩ませていたものの、今回明確な理由ができた。


『破滅の魔女』に加担する裏切り者。


 最高の当てつけだ。


「わかった、すぐに騎士団を向かわせる」

「……騎士団長は帰らなかったと聞いていますが……」

「副騎士団長を昇級させる、あれなら勝利は確実だろう」


 元騎士団長が、自動人形の討伐に赴き、帰還することが無かった折、次級である副騎士団長が事実状騎士団長として指揮を執っていた。ここで正式に昇格させられるのなら、口実も十分。彼も喜んでくれるだろう。


「では、そのように……」

「結果次第ではお前にも、褒美をやらんとな」

「いえいえ、お気になさらず……」

「謙虚なやつだ」


 二人は顔を見合わせると、口の端を同時に歪めた。



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