理想と現実

勝利だギューちゃん

第1話

「疲れた」

仕事から家路に着く。


家族に疲れた顔は見せられない。

一家の大黒柱たるもの、家族の前では元気でいなければ


「ただいま」

「お帰りなさい」


愛する妻が笑顔で出迎えてくれる。

この笑顔が一番の栄養剤だ。


『こら、ちょっと待て』

「なんだよ、いきなり。ていうか、お前は誰だ?」

『パラレルワールドのお前だよ』

「パラレルワールドの僕?」

『ああ、独身のお前にはわからないだろうが、結婚生活という物の現実を見せてやる」


「疲れた」

仕事から家路に着く。


社会人は辛い。

想像はしていたが、それ以上に社会は厳しい。

ていうか、思ってたよりも子供が多い。

大人ってなんだろうと、疑問に思う。


だが、家庭はもっと辛い。

新婚生活の初々しさはどこへやら、完全に冷え切っている。


鍵を開けて、中にはいる。

妻はもう、寝ている。


「たく・・・」


いい気なものだ。


晩御飯の支度はしてあるのかと思ったが、甘かった。

カップ麺が置いてある。


勝手に食べろか・・・


お湯を注ぎ、ラーメンをすする。

虚しい・・・


『これが現実だ』

「でも、それだと物語性が」

『そんなの逆効果だ』


面倒くさいな。

この話はやめよう。


だいたい独身の僕に、結婚生活なんて書けない。

良くも悪くも・・・


さてと、次は何を書こう。

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理想と現実 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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