第5話 天魔大戦について
「それではこれより定例会議を行う」
円形のテーブルに座る7人の翼を持つ者たち。ペルペテュイテの国営を担う七大天使だ。
「議題は天魔大戦についてだ」
天魔大戦。空気がひりつく。無理もない、今この国は魔族の侵攻に会い、その対応に追われていた。
「まずは前線の報告を」
そう言って手を挙げたのは断魔使ウリエルだ。
「はっきりいって芳しくない。ネフィリムは雑兵だ、大したことは無い。問題は...」
ウリエルは
「【
と呼ばれる集団。シェムハザを筆頭とした
「確定、したんだな。ついに」
ラファエルが呟いた。
「あぁ、アタシが出る前は姿を見せることなく、被害を出して
場は凍りついていた。
「それなら...もしかして、アラキバさんやアルマロスさんも...」
怯えたように問うのは
「...恐らくは。」
「じゃあ!じゃあ!もしかして...ボスはあいつ?」
空気に流されず、確信をつく伝令使ガブリエル。華奢な体に見合わぬ明朗快活。その圧に押されウリエルは言う。
「
「
少し考え結論を出した。はっきりと、余地もない回答。
「奇襲を仕掛ける」
それから各々へ命じた。
「護衛使団を派遣し、関門の位置で前線を停止させる。谷間になっている
概要を伝え、深く息を吸う。
「そして、準備が出来次第
───────現在
「───と、こんな具合だ」
アサは一連を話し終え再び椅子に着いた。戦争という言葉にアリスは
「なんで、そんな話を俺に...?」
アサはニヤリと笑う。
「お呼びらしいよ。
言葉が、脳に届かない。
「
アリスの困惑は全てものに明確だ。たとえ空気中の
「ホッホッホ。全く、ワシらが混乱しておるよ。身分も分からぬ
アリスの脳内は疑問がただ駆け巡るだけで、一切の行動を行うことができなかった。それを
「僕たちは〜主を信じ、
絶対的な信仰。これ以上ない回答にアリスは何も言えなかった。
───────少しして
「大丈夫かなぁアリスくん」
大まかな話を終えたアサ達は茶を
「もう10回は聞きましたぞそのセリフ。やけに気にかけますな」
「当たり前だろう。ただでさえ身分の分からぬ少年が冤罪で牢に入れられ、
3人の中たった1人だけ不安がっているアサは、この状況では異質だった。出身の違う彼女は政王への
「まぁ〜多分大丈夫でしょ〜。主には目がありますし〜」
「まぁなぁ」とため息混じりに言って、アップルティーを飲み干すアサ。
「しかし、もし、もし仮にだぞ?戦争への参加依頼なんて言われた日には...我々のバックアップもあるとは言え、一寸先は死の世界だ。」
その言葉に2人が
「心配なさるな、総帥殿。」
入ってきたのはきらびやかな高身長の女性、断魔使ウリエル。
「彼と実際戦ったアタシだから分かる。彼はそう簡単に死ぬタマじゃないよ」
キメ顔でウリエルは言った。
「して、当のアリス殿はどこへ?案内を任されている
キョロキョロと周りを見渡すウリエルに、アサはキョトンとした表情で言った。
「彼はもうとっくに出ていったぞ。」
「えぇ゛!?」
思わず部屋中に響く程の大声を出してしまうウリエル。
「場所だけ案内したら『1人で行く』って出ていったよ。」
「えぇ゛ぇ゛ぇ゛ーーーー!!!?」
今度は建物中に響く程の声。あまりの大きさに3人は耳を塞いだ。
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