第36話干支十二神対守護聖人 馬 羊

 十二関 第七 馬 馬上かりん 

 

 十二神 サジタリウスのクリスタリア 

 

 「干支と守護聖人ってちょいちょい動物かぶってたりするよねぇ、うちは馬だし、そっちはケンタウロスだっけ?だしさ、それに知ってる?元々干支を継ぐ者は巫女だけだったんだよねぇ。でもさぁ歳をかさねるとさぁ、男でもばりばり馬の神聖力全開なのが生まれたりしてさぁ、結局ごっちゃになったって言う話だけど、守護聖人もそんな話あんの?」 

 

 「我が名はクリスタリア!主の命により阿修羅とその信者を討つ!!!」 

 

 「あれ?話聞いてる?しかもあーしら一輝さんの信者じゃないし、あこっちの守護があーしらの最大目標だし」 

 

 「グラビティタウント!!!」 

 

 軽鎧に身をつつんだ長槍をもったクリスタリアの突進。 

 

 重力により異常に重くなった体から放たれる、光速の突進、矛盾に矛盾が重なった、箱に無理やり理論を詰め込んだ様な異常な一撃。 

 

 その一撃をかりんは何の衝撃もなく受け止める。 

 

 その様子は異常、そうこの戦いは全てが異常だった。 

 

 ブラックホールが生み出されそうな重さの重力圏での「光速」での突進という矛盾、光速で動けばその衝撃破は恐ろしいものなはずなのに風すら流れない光速移動、そしてなんの衝撃もなくそれを受け止めるかりん。 

 

 「人の話聞かない系?じゃあこっちからも、馬上家「壇ノ浦逆落とし」」 

 

 重力を纏いながら光速で回避するクリスタリアの懐に、ぬるりと入ると、超高高度からの頭から地面に突き刺す様に落ちると、熱を帯び隕石の様に地面に激突する。 

 

 クリスタリアは鎧により、圧縮された何かになって絶命した。 

 

 「ありゃ?おわちゃった?一輝君のレクチャー受けてから力とか色々がまえよりダンチなんだよね、調整しないと」 

 

 鼻歌を歌いながら関所にもどっていく、かりんであった。 

 

 十二関 八関 羊 辻 洋二  

 

 守護聖人 ライブラのカルマ 

 

 「っち!気に入らねぇ!てめぇらの都合で聖人だ!魔王だ!なんて好き勝手いいやがって!そんな腐りきった守護聖人なんてよぉ、本気で俺の相手になるとおもってんのか?」 

 

 「ううむ、耳が痛い事をいいおって、確かにわしらも今回の六条一輝の沙汰には納得いっとらんがな。危険人物であることには変わりないわい」 

 

 「聖人ともてはやしといて、いうこと聞かなきゃ魔王かよ!!ずるいぜそんなの!」 

 

 「聞けばあやつは誰でも彼でも治療すると言うではないか、世の中には病を患ってやっと人並みに抑えられている人間が多くいる。そいつら全員解き放ったら?世の中大混乱になっちまうじゃねぇか。それでなくても最近聖人側は押されてるんだ。そりゃあせりもするぜ」 

 

 「ものはいいようだな。雷招来、ライトニング!」 

 

 「おっとっと、お前雷使いか、俺は無属性でな、はああああああああああああ!ただ加速させるのは得意だ」 

 

 カルマの魔力が加速される。 

 

 肉体が強化されていくんのがわかった。 

 

 「疾風迅雷」 

 

 「おらぁ!!」 

 

 肉と肉がぶつかり合う、泥臭い肉弾戦。 

 

 通常と違うのは、二人の速さだった。 

 

 「ライトニング・バルカン!!!」 

 

 貫通力の高い拳の群れが、カルマを襲う。 

 

 「打ち落とすぜ!うららららららららら!!!」 

 

 「ライブラ 奥義 猛虎波動砲!」 

 

 虎の形をした魔力が凝縮して洋二に襲い掛かる。 

 

 飛びついてきた虎の魔力を両手で防ぐと、大爆発が起こった。 

 

 「死んじまったか?おい?」 

 

 爆風が晴れると、そこには無傷の球体にまもられた洋二の姿があった。 

 

 「セイントバーン、干支十二神の絶対防御」 

 

 「ちぃやりそこなったか。まだまだいくぜ、おい!!!」 

 

 ライブラのカルマの身体能力の本気、一撃が重く、それでいてその場にとどまっている事が出来ない程吹き飛ばされる。 

 

 自分がボールにでもなったかの様に、右に、左に、上にカチあげられたかと思えば、地面に叩きつけられる。 

 

 洋二の疾風迅雷で対応しているが、相手はどんどん速くなる。 

 

 空中に縫い付けられたかのように、その場から動けない程の光速の攻撃の雨あられ、マジックで物が宙に浮いてるかの様に洋二は空中で動けなくなる。 

 

 「トールハンマー!!!」 

 

 真上から光速を超えた、信じられない加速と共に両手の攻撃で地面に叩きつけられた。 

 

 出来上がったクレーターは漫画でよく見る程深く、面白いくらいに広いまさに爆心地の様なクレーターが出来上がった。 

 

 あれだけ一輝にクセなどを矯正され、魔力、気功、共に充実して爆発的に潜在能力を解放したにもかかわらず、守護聖人の中で最強といわれる数名の一人ライブラのカルマに手も足も出ずボロボロにされてしまった。 

 

 体の可動域を確認するが、もう全開で戦う事は無理だ。 

 

 過去の自分ならと考える、もっと早い段階で殺されていただろう。 

 

 奴の極限を引き出せた、それは洋二にとって大きな進歩だったのかもしれない。 

 

 「羊の、最後に言い残す事はあるか?」 

 

 頭や体から血を流しながら、フラフラの状態の洋二は笑いながらいった。 

 

 「お前を殺す!」 

 

 「いいね、最後まで衰えない闘士、最大の加速をもってお前を打ち抜く!!!」 

 

 ライブラ最大の加速拳。 

 

 放たれたのち、倒れたのはライブラのカルマだった。 

 

 ライブラの加速拳に洋二は疾風迅雷でちょっと自分の拳が当たる部分を調整しただけ、そうして体を固めた事による作用でライブラは突っ込んだ。 

 

 立ちふさがる壁にぶつかるが如く、肉体をその場に固定した洋二に自ら、加速して衝突した威力で自分自身が傷ついて致命傷を受けたライブラ。 

  

 第八関 羊対ライブラ 勝者なし

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