第17話天照あこ、月詠まや

 なんとか天照様を治療して、原因を取り除いたが、お風呂からあがってこれから食事になるというのに、俺の事をととさまと言って離れないのだ。 

 

 セバスと狂一改め狂や医者はきっと精神的な何かがあり、その支柱になっているのだろうという事で問題なしで通したが、後々の合流となったが、元鬼神衆が爆食と宴会をしている会場に、俺達も料理を更に追加して参加する形となった。

 

 天照様が参加すると聞いて、一瞬会場全体が冷えたが、幼女姿の天照様を見たらみんな一気に気の抜けた様に緩くなった。 

 

 「ととさま、おなかすいた」 

 

 「ああ、食べよう食べよう!結構なんでもある。寿司も特上だし!魚介大丈夫かな?」 

 

 「あくあくあく、!!!おすし、美味しい!!!」 

 

 「大丈夫そうでよかった」 

 

 「ああ!御屋形様がお食事を!いつ以来の事か!ささっなんなりとお申し付けください」 

 

 「俺らが拝謁した時なんかよりも、全然元気になってるなぁ!こりゃ日の本も安泰か?」 

 

 「天照様がご健在なら、宿儺まで鬼神衆に取り込みましたから、ただ野にはまだまだうっとおしい二代目が多いですからね。信長、菅原の道真、呪術の大家崇徳天皇率いる、崇徳院、平の将門、酒呑童子にヤマタノオロチ、この中には二代目魔王を名乗る奴らもいる、宿儺なんてその筆頭だったのにな」 

 

 「少なくとも俺はあのままだったら、宿儺に取り込まれて先代覚醒してたはずだ。それを適合率をあげてアンバランスだったスペックを計算して俺にあわせやがった大覚醒ってやつだな、わりいが今じゃ十王数人相手でも一輝様に近づけさせん自信がある」 

 

 「やれるものならやってみろ小僧、画面端に追い詰めるぞ」 

 

 セバスの顔が狂気に歪む。 

 

 そんな事いいあいながら、食事だなんだやっていると、また黒ずくめのスーツの集団が現れ、一人の女の子が現れた。 

 

 「あこ!あこが治ったってのは本当なの!?」 

 

 「まや?」 

 

 「あこ!アンタ全然見違えて!良くなったんだね!?」 

 

 「もうだいじょうぶ、ととさまがきてくれたから」 

 

 「ととさま?」 

 

 「あっ六条一輝です」 

 

 「ととさまって六条家のろくでなしの!?あのフェイク動画のやつでしょ!?」 

 

 「月詠様、どうやらフェイクではなかったらしく、素晴らしい手腕で天照様を治癒していただきました」 

 

 「まじで!?それってが本当なら超やばいじゃん!宿儺も払って治療した挙句、大覚醒させて、あこの病気とその元凶を取り払ったんだもん。もう普通の生活は無理だね」 

 

 それを聞いて一瞬ビクッとする。 

 

 「六条家の策略であんな動画があがったと思ってたのに、それがガチだっだ、嫌それ以上の成果をだしたんだ。国内では収まんないでしょ。特に聖堂教会!絶対あのいかれ集団がまた攻めて来るよ。聖堂教会もヴァチカンも自分の所の聖人しか認めないし、それ以外を聖人ではなく悪と断ずるときもあるからね」 

 

 「あの、俺って家に帰れるんですかね?」 

 

 「無理にきまってんじゃん」 

 

 えええええええええっ困るんだけど。 

 

 「どう考えても御三家で保護しないと、ここなら鬼神衆と干支十二神に四神がいるからね。日本で一番安全だよ」 

 

 「急にそんなこと言われてもなぁ、これはどうにもならんですかね?」 

 

 「お望みならご帰宅も可能ですが、護衛は必須です。鬼神衆 羅刹を一輝様の護衛に、そして可能なら毘沙門天と風林火山もそのままごえいにつけたほうがいいかと」 

 

 「俺達ははじめっからそのつもりだ。なぁ上杉」 

 

 「そうですね、これから異能者の中心点は確実に一輝殿の周辺となるかと、こっちからいかなくても自然とあっちから一輝さんの前に現れますから」 

 

 これならなんとか帰れそうだ。 

 

 「ととさまかえっちゃうの?いなくなっちゃうの?あこも!あこもいく!ととさまと一緒にいく!」 

 

 「こまったな」 

 

 「よいのではいないでしょうか?天照様、一輝様、守護対象が一部に固まるのはまもりやすいのでは?私は賛成です」 

 

 「俺もいいとおもうぜ」 

 

 「一輝様には申し訳ないが 羅刹でも賛成だ」 

 

 「六条家に事情話して、天照様を保護すれば?」 

 

 「あこばっかりずるいよ!私も街にいきたい!」 

 

 「御三家の内二人が六条家いきか、こりゃまたニュースになりそうな」

 

 「俺は知らん、父さんと母さんに丸投げしよう」 

 

 こうして天照あこと月詠まやは六条家に滞在するべく、六条家に帰還するのだが、六条家の広さにも限界があると問題がでてきたのだが、周囲の土地を爆買いする力技でことなきを得た。 

 

 聖堂教会 

 

 第一席 殺戮のシモン・ペテロ 

 

 「極東の島国にまた聖人が誕生したようだ」 

 

 第二席 溶解のシヴァマリア 

 

 「どうせまた紛いものでしょ?彼らの国の宗教団体の、いちいち相手してられないわ」 

 

 「それがね、今回はそうでもないみたいだよ。」 

 

 スマートフォンで風林火山の治療動画を見る二人。 

 

 「マジ?これ四肢の欠損を再生させてるの?再生させる側に莫大な負荷がかかるはずだけど、そんな反動もみえないわね」 

 

 「こっちでは彼らに体の扱い方をレクチャーしてる。武人としても相当な人間だ。そんな人間日本に存在したか?」 

 

 「十王や干支十二神ではないわね」 

 

 「なんにせよ。本当に神の技を顕現させた人間だ。みたくないか?」 

 

 「まぁた不法入国?この間干支十二神とやりあったばっかりじゃない、ダルイわ」 

 

 「嫌、何人かつれて正攻法で入国しよう。まさか入国禁止なんていわないだろ?日本だもんね。」 

 

 シモンは動画を見て笑う。 

 

 「面白くなってきた」

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