第10話冒険者の治療

 毘沙門天 クランであり、上杉謙信ことシオンが頭領であり、多くの冒険者を抱え、対冒険者のテロ、犯罪などを警察、自衛隊、日本護法機関と連携して日本の法律を守る団体でもある。 

 

 ダンジョン活性初期や動乱期に多大の負傷者を出し、欠損者を続出させたが、死人は出さなかった武闘派クラン、上杉謙信の二代目を名乗るのに相応しく、固有スキル越後の龍、毘沙門天顕現などの特殊スキルをもっている。 

 

 日本にも工作員が存在している、世界的テロ組織「夜天」の日本侵攻戦線での戦いの際に両手を失うもポーションで一命はとりとめる。 

 

 多くの人間が欠損状態で生き残っているのには、下位ポーション特有の瞬時に傷のみを修復するという効果の結果である。 

 

 指、腕、足、腹を貫かれてもポーションを瞬時にぶっかければ、とりあえず傷口は塞がり出血死を免れる。 

 

 後々の研究で切り離された腕や指先などがある状態なら、切り離された部分を合わせてポーションをかければ繋がる事も判明したが、大量の魔物を相手に冷静に都合よく判断する事は難しく、欠損者は多く、魔動義手や義足で前線に立ち続ける者、指程度ならと笑って戦線に復帰する者、なども存在するが、やはり治癒を求める者は多い。 

 

 部位欠損が治るポーション、高度の病気が治るポーションなどはまだ発見されていない。 

 

 毘沙門天も武田信玄率いる風林火山も200人近い負傷者を出し、また引退している。 

 

 治れば前線に戻りたい、冒険者、探索者に戻りたいと言う人間も多く、欠損や魔力症で悩んでいる今の自分でも出来る事はあると近しい職業に納まっている人間も多い。 

 

 これらの多くの人間が前線に、または緊急時に戦闘に加われる事の意味は大きい、現在の世界は国民皆兵士、冒険者、異能者、闘技者といってもいい状態で、その土地に根付いているダンジョンも存在すれば、空間に亀裂として現れるイレギュラーダンジョンなどの存在もある、またインスタントダンジョンといった特定の魔物とだけ戦うダンジョン、または異空間の存在などもある。 

 

 二代目武田信玄 クラン風林火山の頭領であり、彼もまた二代目を名乗るに相応しいスキル、風林火山を所持している。 

 

 すでに80歳だが、見た目は30歳と若々しく、一輝の治療により活性化した際はどうみても20代にしか見えない、冒険者はレベル、人間としての位、位階が上位にあがればあがるほど病気や身体的能力の向上、寿命が増え、また戦闘に適した年齢維持など色々な恩恵があるのだが、ファンタジー好きの人間がこういった。 

 

 まるでエルフに近づいているみたいだと。 

 

 それからは人間の進化の先はエルフと言う種族なのではないか?とささやかれているが解明はされていない。 

 

 毘沙門天から200人弱、風林火山から200人弱、の患者の治療に六条家は満員状態である。 

 

 そして六条家で行われる、完治おめでとうの祝杯を挙げる人々。 

 

 「若!治療ありがとうございます!」 

 

 「以前のまんまだ!」 

 

 「これで俺も前線に戻れる!」 

 

 いつの間にか人々は俺を若と呼ぶ、まぁまだ高校入学前だから若ってのもあってるのか?それを冷やかし半分で近づいてくる大人二人、シオンと信玄である。 

 

 「若!君の能力は凄いね!これだけの人数の欠損をどんどん治していくんだから!現役凄腕のお医者さんでも追いつかないオペスピードじゃないか!?」 

 

 「これからは怪我や病気をしても若がいるからな!安心してダンジョンに潜れる!死闘の果の負傷とは言え、折角経験を得てもそれ以上戦えなくなっちまうんじゃ意味なんかないからな!」 

 

 「若はやめてください、まぁこっちも料金いただいているんでね」 

 

 「何が料金だよ。聞けば格安な値段じゃねぇか!腕一本まるまる再生させるのに一千万程度、指は数十万から百万レベル。こいつは破格だぜ!しかもおめぇさん、全員の体調や体の細かな調整もしてるって言うじゃねぇか!この調整がただってのは正直怖いぜ、なにせ以前の身体能力より1・5倍は体が動く!技の威力、精度の上り幅!しかもちょっとした、嫌ちょっとじゃねぇな、若返りの効果まである。お前さんこれははっきりいって異常だぞ?今世の中じゃ、すっかりお前さんが世界一で唯一無二の聖人様として名が広まってる」 

 

 「魔法の威力も気功なる力の奔流も感じ、今日本の冒険者は新たな新生を迎えています。護法機関から干支十二神が来るって話もきてますからね」 

 

 「干支十二神って日本最大の護法機関で神代御三家の直属護衛ですよね?なして家に?」  

 

 「神代御三家の護衛衆は鬼神を筆頭にした鬼神衆、その下が四神、んでもって国内護衛が干支十二神の仕事だ」 

 

 「へぇ~なして?我が家に?」 

 

 「ばっか!おめぇさんを守る為だろうがよ!考えてもみろ!国内で認定されてる聖人、聖女ですら欠損は治せねぇ!世界的にも一人?二人いるか?って状況なのに、こうも簡単に100人だ200人だ治療してみろ!そんなもん、隠そうにも世界的に話題になるってなもんよ。よかったな、お前さん天武館入学前から治癒師として世界的に有名な聖人に認定だぜ。んでもってだからこそ今、俺達風林火山も毘沙門天もこの六条家に詰めてるって状態よ。ただ喜んで酒飲んでるだけじゃね~んだぜ」 

 

 いや、どう考えても治ってよかったね、パーティーをそのままやってるようにしかみえないんだが。 

 

 「毘沙門天も近隣の空いてる土地に拠点の一つを置きましたし、いつでも駆けつけれる状態ですよ」 

 

 「国内だけじゃなく、国外からも攫われる可能性があるってこったな」 

 

 「俺そんなに弱そうですかね?」 

 

 「植松の坊主をやったのは中々やると思うが、それだけだな。まだ高校前にしては・・・・・と思うが、この世界天武の才があっても足をすくわれる者は少なくない」 

 

 「厳しい世界ですね」 

 

 「だからこその天武館ですよ!あそこは事対人戦には困りませんから」 

 

 各家には宣戦布告したし、天武館入学前に有名になるし、引き寄せられて悪い事おきなければいいが、毘沙門天と風林火山が近くに事務所ができたのは心強い。

 

 

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