第8話宣戦布告
趣味の悪い虎柄スーツをきた二人が現れた。
「随分の調子がよさそうだな、一輝」
「藤虎、ああっ今更ながら治癒に目覚めてな」
「そんなに羽振りがいいんならよぉ、もちろん期待してもいいんだよなぁ、上納金」
「六条家が渡しているのは武家に対する活動資金や支援金、上納金ではない。それに俺の稼ぎが増えたからと言って支援金が増える事もない」
「おいおい、冷てぇこと言うなよ。同じ源氏10家の中だろ?俺達はただでさえ自分達の武威を昇格させるのに死に物狂いなんだ。それぐらいの協力六条が解体される事に比べたらなんてことはないはずだ」
完全に嫌な空気が流れ、俺達よりエルドラド家の人間の怒りの方が限界に到達しようとしていた。
「藤虎・・・・・・お前はいつからハイエナになった?」
「ああっ!?」
「大層に虎の名を語りやがって、今のお前のそのざまはなんだ?俺が稼げると知ったとたんにじゃれつき始めやがって、高々拳聖程度の武威でどうやったらそこまで偉そうにできる?所詮は獣か?」
「一輝てめぇ!!」
「虎一!てめぇは黙ってろ。エルドラドの陰に隠れて、お前の方がよっぽどだろ?何なら源氏の掟にしたがって勝敗を決めるか?まぁお前にはできねぇだろうがなああああああああああ」
こいつは俺がこいつより武威的に格下だからこんな強気になって出て来たのか?今もエルドラドや父さん母さんに守られているだけで、俺自身にはそんな力はないと、そう踏んでここまで罵倒している訳だ。
「いいぜ、こいよ。藤虎」
「一輝!」
「一輝ちゃん!?無理よ!この間倒れて、治癒が目覚めてから驚くほど痩せているのよ!闘技者、異能者に一般的な階級や体形、重量級なんて言葉は通じないわ!一輝ちゃんが太っていて防御に自信があるとか、そんなのお構いなしなのよ!?」
「大丈夫だよ。二人とも、俺ももうすぐ高校生、天武館に通うんだよ。いつまでも二人に守ってばかりでもいられないさ、むしろ六条長男!としてこの古臭い慣習に終止符をうたないと、ね?」
「虎一、お前がいけ」
「うぇ?俺が?」
「一輝に負ける気なんて毛ほどもおもわねぇけど、なんか妙なもんを感じる。お前が様子見してこい」
「わかったよ。それにこれだけギャラリーの中活躍すれば、俺の名も広まるってもんだしな」
「おい、最初から殺す気でやれ」
「うぇ!?なにもそこまでしなくても」
「駄目だ、一撃で絶命させろ。何かが妙だ」
源氏の決闘は財界では有名な見世物でもある。
一種のイベント、天武館などの武館では源氏の決闘を真似て、生徒同士で争った際、決闘で決着をつける制度ももうけられている。
人込みを割って出て来る二人の美少女。
源氏10家筆頭 久我家 久我ころも 条家こと浄家 一条あまね
「やるって言った以上後には引けないわよ。一輝、立ち会人は私 ころもとあまねの二人でこの決闘が正当である事を認めるわ」
やはり呼ばれていたか、上位の家の人間だが宣戦布告には丁度いい。
「準備はいい?」
「一輝さん!」「一輝兄さま!」「「がんばって!」」
ニア、と清香の声がかぶる、清香もパーティーによばれていたか。
「はじめ!!!」
「白虎神拳 百鬼羅漢撃!!!」
拳の無数の雨が降り注ぐ、まさにアニメの世界、拳の乱打を一つ掴み、乱打を止めると、そのまま足を払い地面に倒れた虎一の頭を踏みつけた。
何がおこったかわからなかった虎一は、地面に倒れている事に気が付き立ち上がろうとするが、俺の足が頭を踏みつけて立ち上がる事ができない。
「ぐぬ!なんで!なんであがらねぇえええ!!くそがああああああああああああああ!!!!!」
「どうなってやがる!?」
「どうした虎一?遊んでるのか?俺は頭に足を置いているだけだぜ?振り払っておきあがるなんて簡単だろ?ほら?立ち上がれよ」
「ちくしょう!くそが!くそがあああああ!!み!みるな!俺を見るな!くそ!この足をどけろ一輝!」
「これって勝負は?」
「虎一は姿は無様だけど、負けって程ではないわね」「おなじくかな?怪我もないわけだし」
「だそうだ。虎一、恨むなら立会人を恨む事だ」
虎一の頭から足をどけ、頭を真上にかちあげる蹴りをいれると、軽く浮いてストンと両足で着地する虎一、既にこの時に意識はもう朦朧としていことだろう。
棒立ちの虎一に駄目押しの正拳がつきささり、壁まで吹き飛び壁に面白い位に簡単にクレーターが出来上がった。
「修羅・無双正拳突き」
「虎一!一輝、てめぇ」
「勝負あり!勝者六条一輝!さて一輝くんの要求はなにかにゃ?」
「エルドラドさんのPTを騒がせてしまってすいません。ここには日本有数の格名家に個人で名家に匹敵する人、海外の貴族に王族までいるので、丁度いいので宣言させてもらいますね。六条家はもう他源氏および条のつらなぬ家に支援金は一切送らない、これからは源氏も条も離れ、我々は六条家として行動する以上だ。文句があるならかかってこい」
宣誓の最後に放たれた莫大な闘気に国内、国外の闘技者、異能者高位ランカーは脅威を感じ取った。
名家の小僧にしても天武館に入学前の子供の放つレベルの闘気ではない。
この日闘技者としての一輝を世界は知る事になった
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