13 祖父□ルナの鉱物
仕事部屋に
息子は何を伝えたかったのだろう…。
「ルナの
何も思い浮かばない自分に、苛々する。
私は、今年の奉納品を作った時に残った〝
見た目に反し軽く、しかし程良い重量感はある。
少し見る角度を変えると、また違った色と艶が美しい…
ルナの
ちなみに昔から、この類の話になると、街の
何となく窓を開け、陽に透かして見る。
しかし、何が起こるわけでもなく、すぐに窓から離れ、椅子に掛けた。
……本当に、どうしたら良いんだ。
頭を抱えていると…
トントン
戸を叩く音がした。
私は誰が来たのか判っていたので、「どうぞ」と答える。
案の定、入って来たのは妻だった。
ここには、私と妻しか出入りする者が居ないからな。
妻は、きっと察している…「私には、お見通しよ」と言わんばかりの瞳を私に向け、手に持っていたティーセットの盆を軽く示した。
「貴方、少し休みましょう」
行き詰っていた事まで、彼女にはお見通しか。本当に妻には隠し事が出来ない。
私は観念して、懐中時計の蓋を開く。まあ、お茶をするには丁度良い頃合いだった。
部屋にあった丸椅子をもう一つ出し、妻に掛けるように促した。
妻が持って来た
庭で栽培してるハーブを使った、妻お手製のオリジナル・ハーブティーだ。
狭い部屋なので、すぐにふわっと良い
私が皿を受け取り「ありがとう」と言うと、彼女は「私が作ったのよ」と自信ありげに軽く笑った。
少しの間、お茶を楽しむと、私は「そう言えば、
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