第127話 そして、僕らは家族となる 【R−15指定】
全ての件が落ち着き———平穏な日々が過ぎ、流れていった。
あれからシウ達は高校を卒業し、和佳子さんと一緒の短大に進学し、年相応の日々を楽しんでいた。
そして実は……その間、シウはイコさんの元へ戻り、親子としての生活を送っていた。
最初はユウと別々に暮らすことに拗ねて反対をしていたシウだったが、二十歳で結婚すると決めているなら、それまでの間は親子で過ごすのが健全だと判断したのだ。
二人は毎朝守岡に手を合わせ、一緒に食事を食べて、親子というよりも姉妹のように語らいながら仲良く過ごしていた。
一方、広くなったマンションで一人で住むことになったユウだったが、仕事終わりにシウと電話で話したり、休みの日には迎えにいってデートをしたり、絵に描いたような恋人の行動を楽しんでいた。
たまに一緒に住んでいた時が懐かしく寂しさを感じる時もあったが、その分一緒にいる時の愛しさが勝り、案外悪くないと思っていた。
「んー……、私はやっぱり不安あるけどね。だってユウ、仕事が忙しくて月に数回しか会えなかったりするし」
「でも、その分一緒にいる時には甘えさせてるだろう?」
「そうだけど……。あー、やっぱり早く結婚したい」
そう言っているが、約束の時まであと数ヶ月。
子供だと思っていた少女が、もうすっかり大人の女性と変わっていた。どんどん美しくなっていくシウに、ユウは心を奪われてばかりだ。
今日は久々にユウのマンションに泊まり、ソファーに座りながら映画を楽しんでいた。
肩に頭を預けて体重を乗せてくるシウを抱き寄せて、ゆっくりと頭を撫でた。
「結婚式だけど、本当にしないの?」
前に守岡に頼まれた時にウェディングドレスは撮影したが、あれは形だけのものだったので正式な式は改めてするつもりだった。
だがシウはそれを拒否していた。
「私はあの時に満足したし、それに本当に見せたい人達には見せられたからいいの。それより私の誕生日をママさんのお店で貸し切ってしてくれるんでしょ? そっちの方が嬉しいよ」
ユウの首に両腕を回し、向かい合うように姿勢を変えてきた。真っ直ぐに見つめてくるシウの額にキスを落とし、そのまま瞼、頬、口角と口付けた。
「———ねぇ、ユウ。まだゴム付けるの?」
互いにスイッチが入った二人は身体をよがらせながら求め合っていた。そんな最中に恍惚な表情を浮かべながらシウは恥ずかしそうに尋ねた。
あと少しで結婚も約束しているし、もう肉体的にも精神的にも問題ない。
「……そのつもりだけど、何で?」
「だって、その……私はユウの子供が欲しいのに。ずっと避妊してると寂しい気がして」
モゴモゴと口篭らせながら上目でねだるシウが可愛過ぎて、つい伸ばしていた手を止めてしまった。
いや、きっとシウのことだ。和佳子さん達と張り合っている可能性がある。向こうがゴムなしでしているから自分達もと企んでいる可能性もある。
そもそも避妊はシウの為であって。まだ短大に通っているシウにとって妊娠は、当たり前の学生生活を困難にさせる可能性があって———……
「もう、ユウ。言い訳はいらないから……ね?」
「いや、待って……! いや、シウ?」
いつの間にか剥いでいた下着、露わになった敏感な部分を擦らせ、快感を共有して……。
硬く膨張した部分が直で濡れる。上半身を縋らせ、腰を動かして卑猥な音を立てる。
こんな状況、耐えられるわけがない。彼女の細い腰を掴むとより一層押し上げた。少しだけ痛みで歪んだ表情と、唇から洩れた艶声。隔てるものがない快感が直に伝わる。より一層締め付ける。
「ン、ユウ……好き、大好き♡」
そんなエロい顔で愛を囁くなんて卑怯だ。
その後も二人は、何度も何度も交わり、快感に溺れていった。
・・・・・・・・・・・・★
「そして次は私の二十歳の誕生日。最終回」
予定通りクリスマスでラストを飾れそうです(笑)頑張って良かった、穂村編w
ただしアフターストーリーを執筆するので、もう少し描くことにはなりますが💦
よろしくお願いします!
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